スターバックスとand wander「a wander in the stars」から生まれた、コーヒーのある寄り道
2026年9月9日、スターバックスとアウトドアアパレルブランドand wanderのコラボレーションアイテムが登場します。コーヒーのある時間を大切にしてきたスターバックスと、ファッションを通じて人々を自然へと誘ってきたand wander。一見、意外にも思えるふたつのブランドは、どんな思いでつながり、ひとつのコレクションをつくり上げていったのでしょうか。

「忙しない日々の間に、コーヒーを片手に夜空や星を眺めてもらえたら」。そんな思いから、スターバックスは「a wander in the stars」をコンセプトに、コラボレーションの企画をスタートしました。その思いに共鳴したのが、高いファッション性とアウトドアで求められる機能性を兼ね備え、街と自然を自由に行き来するブランドand wander。今回お話を伺ったのは、and wanderのデザイナー・池内啓太さんとスターバックス コーヒー ジャパンのプランナー・新本健太。実際にコラボレーションアイテムを手に取りながら、その背景にある思いや、ものづくりのプロセスについて語っていただきました。
目的のない「wander」が、ふたつのブランドをつないだ
残暑のなかにも、ときおり涼やかな風が混じり始めた上野恩賜公園。
都心にありながら、木々が生い茂る森や不忍池など、身近に自然を感じられる場所です。こだわりがつまったアイテムを手にする新本と池内さん。
「スターバックスでは、コーヒーは飲み物以上の存在であると捉えていて、コーヒーそのものや、その周りで起こる体験を大切にしています。一杯のコーヒーを味わう時間が、少し立ち止まって自分と向き合ったり、考えや感覚を自由に巡らせるきっかけになることってありませんか? でも、働いていると、コスパやタイパといった価値観につい追われがちになってしまう。wanderには、さまよう、歩き回るといった意味がありますが、ときには合理性や効率性を脇に置いて、寄り道を楽しむ気持ちも大切なんじゃないか。そこにコーヒーができることって何だろう、というのが始まりでした」(新本)

その言葉をブランド名にも掲げるand wanderは、ファッションを通じて人々が自然へと一歩踏み出すきっかけをつくってきました。池内さんにとっても、コーヒーを飲む時間は特別だと言います。
「登山やハイキングで疲れているときに、外で飲むコーヒーって染みるようにおいしいんですよね。味はもちろんなんですが、コーヒー休憩って、それまで一生懸命歩いていた動きを止めることでもある。コーヒーを淹れて、飲む。その動作や時間に向き合うことで、それまで活発に動いていた脳がふっと切り替わる。そこもアウトドアとコーヒーの面白い関係だと思っています。ただ、スターバックスのお客様のみなさんが、登山やハイキングに興味を持っているわけではないですよね。だから、まずはコーヒーを五感で感じることを見直して、そこからアイテムへつなげていこう、という姿勢が最初からありました」(池内さん)

and wander/「山や自然のなかでも街と同じようにファッションを楽しみたい」と考えたデザイナー、池内啓太と森 美穂子によって2011年に設立。モード感のあるデザインとアウトドアウェアとしての機能性を追求したものづくりを展開する。渋谷・MIYASHITA PARK、銀座・GINZA SIX、名古屋・LA CHIC、梅田・グランフロント大阪、南船場などに直営店を構えるほか、ヨーロッパやアメリカなど海外でも展開する。

この日は、コラボレーションアイテムのお披露目を兼ねて、and wanderが運営するコミュニティ活動「ハイキングクラブ」とのコレボレーションによるウォーキングイベントを開催。スタート地点は、上野恩賜公園。上野の山と呼ばれる緑豊かな台地と不忍池など、都心ながら緑豊かな場所。ここから浅草や蔵前など下町を抜けて、隅田川まで歩く。
「がんばった1日の終わりに、少し寄り道をして、ポジティブな気持ちになってもらえたらいいな、と考えたんです。コーヒーを飲みながら日常から少しだけ足を延ばし、星や夜空を眺めて過ごすひととき。自由に『思いの探索(wander)』をしながら、新たな気づきや発見に出会ってもらいたい、そこから『a wander in the stars』というコンセプトにつながりました」(新本) 「スターバックスさんのストーリーの練り込みがすごかったんです。コーヒーのそばにある情景を両者で話し合って、ビジュアルも一緒につくりながら、世界観を深く共有できました。」(池内さん)



一枚のバンダナから広がった、星空の「Star Gazing」コレクション

「a wander in the stars」の世界観を象徴するキーワードが「Star Gazing」です。コーヒーを片手に星を見上げ、自由に思いを巡らせる時間。今回のコレクションは、そんな情景から生まれました。
11ジャンルにもおよぶアイテムのなかで、最初に完成したのは、意外にもウェアではなく一枚のバンダナでした。ネイビーをベースに、星部分には光を受けてキラッと光るリフレクタープリントを。山の稜線のシルエットが描かれ、山のなかで見上げる美しい星空そのもの。
「コレクションのストーリーをいちばんわかりやすく伝えているアイテムかもしれません。バンダナのような小さなものが最初にできることはあまりないんですけど、世界観を共有するいいスタートになりました」(池内さん) このリフレクタープリントは、印象的なモチーフとしてTシャツやナイロンジャケット、プルオーバー、タンブラーなどコレクション全体へと広がっていきました。


このコラボレーションならではのアイテムが、タンブラーやボトルです。なかでも池内さんが、「個人的な快挙!」として挙げるのが、「and wander + STARBUCKS ステンレス山専用ボトル」。
「山専用ボトル」は、「山専」と呼ばれ、厳しい登山環境を想定してつくられ、高い保温力を備えた本格的なアウトドアギアで、山好きの間ではよく知られたボトル。
「『山専用ボトル』を選べたことは、なかなかできないことだったと思います。登山をしない人には少しストイックなものに見えるかもしれません。実現できたことがうれしいですね」(池内さん) 暑い場所で飲む冷たいもの。寒い場所で飲む温かいもの。体に染み込むようで、いつも以上にコーヒーがもたらす味わいが鮮明に感じられるはず。

コーヒーを持って、体も思考もいつもより少し遠くへ
こうして完成したコレクションのお披露目を兼ねて開催されたのが、and wanderのコミュニティ活動「ハイキングクラブ」とのコラボレーションイベント。
参加者たちは上野恩賜公園から浅草、蔵前を経て隅田川沿いへ。昔ながらの商店や職人の工房が残る下町の風景を眺めながら歩き、ときには足を止めてコーヒーを楽しみました。







本格的な登山ではなく、日常の延長線上にある小さな寄り道の時間。コーヒーを片手に街を歩き、ふと立ち止まる。普段の生活では見過ごしていた風景に目が留まったり、誰かとの会話から新しい視点を得たり。そんな小さな発見や気づきが生まれるひとときは、今回のコラボレーションが描く「wander」の時間とどこか重なっているようでした。
「今回のコラボレーションの思いとしては、アウトドアを始めよう、というものではなく、いつもと違う場所へ行ってみよう、時間を過ごしてみよう、というものです。でも、こういうギアを手にすると、『コーヒーは好きだし、このボトルもかわいいから、ちょっと遠くへ行ってみようかな』と思ったりしますよね。そういうふうに、お客様にとって何かを始めるきっかけになったら、すごくうれしいです」(新本)
