「私たちにとって最高の日々は、まさに目の前にある」:ハワード・シュルツがスターバックスの展望を語る


By ターン・タン&マイケル・コー

<こちらの文書は、4月4日に米国スターバックスより発信された英語の原文より翻訳しました。>

「私たちは、1杯のコーヒーで人と人とのつながりを生み出しています。スターバックスのこれまでの歩み、そして今の私たち、さらにこれからの私たちを見つめ直す喜びを今こそ、分かち合いましょう」

ハワード・シュルツは最高経営責任者に復帰した初日(4月4日、月曜日)に行われたオープンフォーラムで、推計15,000人の世界中のパートナー(従業員)に向けて、スターバックスに対する愛と自身が築き上げた企業の将来へのビジョンを語りました。

パートナーを第一に考える

「(スターバックスのパートナーは)この数年間、大変な仕事を成し遂げてきました。それに対し会社は出来る限りのことはしましたが、十分とは言えません。それは認めざるを得ません。真実を語らなければいけない。私はここで、パートナーの状況を改善することを約束します」。そう語ったハワードは、さらに会社への批判を踏まえて、大胆に宣言しました。「会社に批判的な人々は、私たちを見限っているかもしれませんが、スターバックスの最高の日々はこの先の未来にあると私が保証しましょう。しっかりメモしておいてくださいね」

新しい未来を創造する

「私が考えるスターバックスの未来についてお話しましょう。私たちが考えを新たにすべき最も重要なことは、パートナーのエクスペリエンスです。パートナーのエクスペリエンスとは何か? 賃金だけではありません。それは店舗の環境、そこで働く喜び、コミュニティの一員であるという意識、充実感です。」ハワードは続けます。「カスタマーエクスペリエンスも新たに創造する必要があります。現在、世界中でスターバックス・エクスペリエンスの根幹を成すサードプレイスとしての役割が制限されています。お客様の店舗利用のスタイルがこれまでとは変わってしまったからです。客席が多くあるような店舗は、今までのような意味を持たなくなってしまうかもしれません。そこで、私たちはお客様の店舗体験を再定義し、設計し直す必要があるのです」。

自社株買いを一時中止してパートナーと店舗へ再投資

ハワードは、4月4日付けのパートナーに宛てたメッセージで、最初のステップとして、自社株買いプログラムを一時中止し、即時有効にすると発表しました。この決定は、スターバックスのパートナーと店舗の長期成長へ投資するためです。

「私はパートナーやお客様を犠牲にしてまで、株価や四半期決算、EPS(1株当たり純利益)、株主利益の確保を基準にあらゆる決断を下すようなビジネスをしているつもりはありません」とハワードは明言しました。

労働組合結成と、信頼と信念の回復の必要性

ハワードは変革が必要な他の分野についても語りました。「世界中で発生しているパンデミック、人種問題、また公的機関への信頼失墜による政治的分断、などが起こっている中で、世界中に34,000あるスターバックスの店舗のパートナーが十分に守られてきたとは言い難い状況です。」

「私たちは、スターバックスがこれまでやってきたことと、これからやっていくことの最重要事項が、パートナーのエクスペリエンス向上であると、パートナーの皆さんに実感してもらえるよう全力を尽くします。私がスターバックスに戻ってやるべき仕事は、私たちが共に、パートナーを中心に据えたスターバックスを再創造し、再構築することです。パートナーを最優先する会社に、会社とパートナーとの間に介入する存在は不要です」

つながり、共に未来を創造する

今後数週間かけて、ハワードはパートナーと交流するため世界中の店舗や製造工場を訪問し、現場の声や未来のスターバックスを築くアイデアを聞いて回る予定です。

ハワードは「これは原点に戻ることであると同時に、新しい始まりでもあります」と言います。「私には皆さんと共に叶えたい夢があります。かつて抱いたことのないほど大きな夢です… 我々のパートナー、特に店舗でグリーンエプロンを着けるパートナーを最優先するために全力を尽くすという原点に立ち返ること。そして、ここ数年の間に様々な要因で失われつつあるコーヒーへの想いを取り戻すこと。加えて、思いやり、喜び、敬意、尊厳、また、50年に渡ってスターバックスを象徴してきたコミュニティの一員であるという想いと意識とサードプレイスの場としての姿を再び作り上げていくことです」。

ほかに進行している計画は?グリーンエプロンを着けて働くパートナーによる、パートナーのための新しいコーヒーブレンド、NFTを利用したデジタル・イノベーション、パートナーの福利厚生向上については、今後数週間のうちに詳細が明らかになる予定です。

「パートナーの皆さんにお願いしたいのは、平凡なレベルではなく、あらゆる段階において最高水準を追及することです …そして、スターバックスが50年間象徴してきたことすべてに敬意を表しましょう。私たちが創造する変化が大きなうねりを起こしていくことを約束します」。