コーヒーストーリー vol.1「生産地における環境への取り組み」


みなさん、はじめまして!東東京エリア エリアコーヒーマスターの中井理輝です。

エリアコーヒーマスターは、年に一度開催される社内競技会、「コーヒーアンバサダーカップ」で全国16エリアの代表となったコーヒーマスターで、大会出場後も所属するお店や地域で、仲間のパートナー(従業員)やお客様に、コーヒーの魅力や楽しさを分かりやすく伝えるブラックエプロンバリスタです。私を含めて16名のエリアコーヒーマスターが全国で活動しています。

私も普段はお店やこの地域で、みなさんにもっとコーヒーを好きになってもらえるような取り組みや、お気に入りのコーヒーを探すためのお手伝いをすること、そして仲間がコーヒーを最大限に楽しめるようなアイデアを出しながら一緒にコーヒーへの情熱を伝えています。

早速ですが、ここでコーヒークイズを。 答えは、この記事の途中でご紹介します。

コーヒーチェリーを加工する時に使用した水は、どのように処理するでしょう?

① そのまま川に流す

② 分解・浄化して自然に戻す

③ 蒸発させる

今日は、私たちの日常に欠かせない存在であるコーヒーのことを、少しでも皆さんと共有できたらと思っています。

遠く離れた生産地で育ったコーヒー豆が、目の前のカップに注がれるまでにはたくさんのストーリーがありますが、コーヒーは声に出してみなさんへ語りかけることは出来ません。コーヒーに代わってそのストーリーを伝えることが私たちコーヒーマスターの役割です。

コーヒーが大好きな方だけでなく、普段はコーヒーを飲まない方にも、コーヒーにちょっと興味を持って、生産地や関わる人々に想いをはせてもらえたら嬉しいです。

さて、ここでクイズの正解を。

答えは「② 分解・浄化して自然に戻す」です。

コーヒーは、コーヒーチェリーと呼ばれる赤い実の中から種を取り出して、その種を焙煎したものなのですが、種の取り出し方(加工法)にもいくつかの方法があります。

コーヒーチェリーの加工は、コーヒーの味わいに大きな影響を与えます。素晴らしい食材をおいしい料理へと昇華させるためには、下処理や下ごしらえが重要なのと同じです。

最もポピュラーな加工法が水洗式加工法ですが、この方法はコーヒーチェリーから種を取り出すときに水を使用します。

コーヒーチェリーは糖分を含んでいるので、そのまま川に流すと川に住む生態系に悪影響を与えてしまいます。なので、使用した水を酸素やバクテリアで分解したり、土のフィルターを使用してきれいにしてから自然に戻しているんです。

水洗式加工の様子
土を使用したフィルターの写真(ルワンダ)

これは生産地での取り組みの一例にすぎませんが、品質や自然に配慮しながら、僕たちのコーヒーは栽培され、そこにはコーヒーの生産に関わるたくさん人々の情熱が込められています。そして、その想いがこもったコーヒーが私たちの手元の一杯のカップにつながっているんですよね。

私は今、パイクプレイス ローストというコーヒーを飲んでいます。このコーヒーも実は、水洗式の加工法が用いられているコーヒーです。

このコーヒーは、私たちスターバックスの始まりの場所、1号店があるシアトル・パイクプレイスマーケットの名前からインスパイアされています。私はこのコーヒーの、ココアや少し火にかけたナッツのように甘くほのかに香ばしい香りやなめらかさ、時間帯を問わずにいつでも楽しめる味わいがお気に入りです。

さあ、みなさんがこの文章を読み終えた後、初めて口にするコーヒーにはどんな変化が生まれるでしょうか。いつもより、ほんの少し、違いを感じる一杯になっていたらうれしいです。