コーヒーストーリー vol.3「コーヒーの病気『さび病』」


みなさん、はじめまして!北関東・新潟エリア エリアコーヒーマスターの高橋めぐみです。毎月20日はエシカルなコーヒーの日。コーヒーマスターからみなさんにコーヒーストーリーをお届けします。

今月もコーヒーのクイズから始めましょう!答えはこの記事の途中で紹介します。

コーヒーの木の病気であるさび病でダメージを受けたコーヒー農家に、スターバックスが無償で提供しているのは何でしょう?

① 食料

② コーヒーの苗

③ 衣類

さて、今日は私からみなさんに、「コーヒーを味わうことは、生産者の幸せにもつながる」ということをお伝えしたいと思っています。

私は普段、店舗でお客様の好みのコーヒーを探すお手伝いや、よりコーヒータイムを楽しめるような相性のいいフードの提案、コーヒーのおいしいいれ方をお客様にお伝えしています。先日も、コーヒー豆をご購入されたお客様においしくコーヒーをいれられているか伺ったところ、「ハンドドリップをしているけど、うまくいれられない」とのこと。抽出時の蒸らしなどのポイントについてお話ししたことがありました。やはり、生産者の方が大切に育ててくれたコーヒーを最大限楽しんでほしいからこそ、お客様にお伝えしたいんです。

お待たせしました。ここでクイズの答えを。

答えは「② コーヒーの苗」です。みなさん正解できましたか?

問題にもあったように、「さび病」と呼ばれるコーヒーの葉のかび菌が原因の病気があります。葉の黄色い斑点はカビの菌に侵されて、光合成ができなくなった部分です。光合成ができなくなるため、木の成長が止まり、やがて枯れてしまいます。すると、年に1回しかないコーヒーの収穫量が減ることで、収入が減ってしまい、コーヒー生産者は大打撃です。結果、他の作物に転換したり、その土地を捨ててしまうこともあります。

そんな状況を少しでも救うために、スターバックスでは、コーヒーの苗を無償で提供しています。スターバックスでは2016年、さび病の被害を受けたメキシコ、グアテマラ、エルサルバドルに、店舗でコーヒーを1袋販売につき、さび病に強い性質をもつコーヒーの木1本を寄付しました。私たちがコーヒーを飲むことで、農家の方を応援できるプログラムです。2025年までに1億本の苗を農家に提供することを目標にしています。

私は、2018年に、火山噴火の被害を受けたグアテマラの生産者への支援プログラムを実施したときに、スターバックスが苗を無償で提供していることを知り、驚きました。改めてコーヒーは野菜などと同じ農作物で、災害や病気と闘っていることを実感し、毎日おいしいコーヒーが飲めることはあたり前ではないんだと感じました。

私は今、そのグアテマラから届いたグアテマラ アンティグアというコーヒーを飲んでいます。

ココアのような風味で後味がほんのり甘く感じられるコーヒーで、チョコレートスコーンと合わせると幸せな気分になります。私がスターバックスに入社して最初に好きになったコーヒーです。コーヒー豆のやさしく香ばしい香りもずっとかいでられるほど心地よく、ブラックコーヒー初心者だった私がおいしさに感動したのを覚えています。

グアテマラはスターバックスを代表するスターバックス® クリスマス ブレンドをつくるときにも重宝されることが多く、毎年私たちにチョコレートとコーヒーのペアリングを楽しませてくれるグアテマラ カシ シエロ®のようにシングルオリジンコーヒーとしても魅力のあるコーヒーです。

グアテマラ アンティグアのパッケージにはケツァールという名の鳥が描かれており、現地では見ると幸せになれると言われているそうです。それも納得の美しさなのです!

スターバックスの店舗のコーヒー豆の棚にはいつもケツァールがいます。店舗にお立ち寄りの際は、このケツァールを探してみてくださいね。なにかいいことがあるかもしれませんよ。生産地を思い浮かべることもコーヒーをおいしくするスパイスです。

農家の方が育ててくれたコーヒー豆を私たちが一杯のコーヒーとして楽しい時間を過ごす。それはめぐりめぐって農家の方やその土地にも幸せをもたらします。いつものコーヒーブレイクで生産地や農家の方を思い浮かべてコーヒーを味わうことはこの先もおいしいコーヒーを楽しめることにつながると思っています。

みなさんの次のコーヒーブレイクに少しでも思い出していただけたら嬉しいです。