人・地域・地球とつながり未来へ。CEOの語る「今までとこれから」


人々の心に、暮らしに、活力と豊かさを。積み重ねてきた25年間

スターバックスが日本に上陸して2021年で25年。その歩みを振り返って、水口 貴文(みなぐち・たかふみ)CEOは、やってきたことはただひとつです、と語り始めました。

「スターバックスは、自社の存在意義を問い続けながら成長してきた会社です」と水口CEO。私たちはなぜここに存在しているのか? その問いを追求した先にあるのが、スターバックスのOur Mission(企業理念)です。

Our Mission

『人々の心を豊かで活力あるものにするために

ーひとりのお客様、一杯のコーヒー、そしてひとつのコミュニティから』

「パートナー(従業員)たちは、このミッションを胸に、それぞれの店舗でお客様を迎える毎日を積み重ねてきました。25年間ずっと、スターバックスの中心にあるのは、Our Missionに共感して行動してきたパートナーの存在です」(水口CEO)

地域コミュニティに私たちができること。パートナーと地域のつながり

スターバックスのパートナーは各店舗で、Our Missionを自分ごととして捉え、行動してきました。そうした行動を象徴する取り組みが、地域活動です。自分たちが、地域に活力をもたらすために何ができるのか。パートナー自らが発案して行う地域活動、コミュニティ コネクションは、現在年間8,000件以上実施されています(※)。

例えば、子育て世代の多い地域では、子どもに読み聞かせをして親にはゆっくりカフェでくつろげる時間を提供する「ママカフェ」、認知症の方々とご家族がコミュニティづくりに悩んでいることを知った店舗では、彼らが集い交流する「Dカフェ」という企画が生まれました。ひとり暮らしの年配の方が多い地域では、行政と連携し、年配者が集う場所として利用してもらうことも。

お客様と接するなかで見えてきた、自分たちに出来ること。それがコミュニティ コネクションとして、ひとつひとつの店舗で行われています。

※新型コロナウイルスの影響を受け、2020年5月より中止しています

一杯のコーヒーを通して、人にも地球にもサステナブルな未来をつくる

この25年の間に、地球環境は大きく変化してきました。もとから大切にしてきたサステナビリティへの取り組みを推し進めるために、2020年、スターバックスは「リソースポジティブカンパニー」になることを世界に宣言。2030年までに、排出するCO2や水、廃棄量をそれぞれ50%削減するといった明確な目標を掲げ、行動に移しています。

水口CEOは、「日本でも、相次ぐ異常気象や自然災害を受けて、みんなが実感として、何かしなくてはと思っているはずです。企業の社会的責任といった域を越えて、今行動するのは人として当然のことだと思っています」と語ります。

「私たちの成長は地球あってのこと。人とのつながりと同じように、地球とのつながりも見つめ直し、大事にしていかなければいけません」と水口CEO。企業としての成長と地球環境への貢献。この2つは相反する要素に思えますが、水口CEOは「ビジネスのなかの当たり前として、地球への貢献が組み込まれていることに意味がある」と考えています。

例えば、コーヒー豆かすを資源として活用する「コーヒー豆かすリサイクルループ」。店舗から出る食品廃棄物の7割を占める豆かすがたい肥や飼料になって野菜や牛を育て、フードやドリンクになって戻ってくるしくみです。豆かすに残る養分を有効活用し、廃棄物を資源に。取り組みによって農家の方たちとのつながりが生まれるなど、良い循環の輪が生まれています。

「環境活動は必ずしもコストではありません。ビジネスと環境貢献をいっしょに実現することは、チャレンジングだからこそおもしろい。そこに魅力を感じて、意欲的なパートナーが集まってきてくれるのだと思います」(水口CEO)

このスターバックスの姿勢は、ブランドを築き上げた元CEOハワード・シュルツが抱いていた思いでもあります。

幼少期、仕事中に足を骨折した父親が翌日に解雇され、人として尊厳をもって扱われていないことに憤りを感じたシュルツ。スターバックスを起業する時、彼は、『経済的な成功や利益と、社会的な良心とを両立する会社を作る』と心に決めました。その信念は、今日まで脈々と生き続けています。

小石が落ちて水面に波紋が広がるように。目の前のことに誠実に取り組んでいく

銀座の1店舗から始まった日本のスターバックスは、今や1,600店舗以上。約4万人のパートナー、その先には1週間に約550万人のお客様がいます。たくさんの人とつながっているからこそ、スターバックスにはできることがあると水口CEOは考えています。

「お客様と一緒になって取り組めることを意識しています。例えば、東日本大震災の後に始めたハミングバード プログラムは、お客様が飲食することで寄付ができるしくみです。店頭で呼びかけることで、たくさんの人が震災に思いを馳せることにもつながります。タンブラー利用の呼びかけも同じで、一人ひとりの行動に働きかける取り組みは、私たちだからできることです」

まだできていないこともたくさんあると引き締まった表情を見せながらも、「私たちの重要な使命は、輪を広げていくことにあります。小石をポンと投げた池で、水紋が広がっていくようなイメージです。私たちの描くソーシャルインパクトは、そんなことなのだと思います」とやわらかな笑みで語ります。

「スターバックスはリーディングカンパニーではなく、まだまだ発展途上。だからこそ常に目の前のことに向き合い、できることを誠実にやってきた25年間だった、と言うことはできると思います」(水口CEO)

いっそう「人と人のつながり」が大事になる時代

「今後100年は、過去100年以上に大きく変化するのでは」と水口CEO。コミュニケーションも多様化する時代にあって、スターバックスはどのような役割を果たしていくのでしょうか。

「デジタル化と効率化が進むなかで、人と人のつながり、そのあたたかさを提供することが、いっそう大きな価値を持つ時代になっていくと思うんです。それは、新型コロナウイルスによって、今まさに実感しているところでもあります」

2020年5月、緊急事態宣言を受け、スターバックスは1,200店舗が一斉に休業する判断をしました。営業を再開すると、パートナーと話すことでホッとした、笑顔になれた、といった声がお客様から寄せられたのだそうです。

「人の触れ合いが私たちにとっていかに大事なものか、改めて認識しました。人との触れ合いがあって、あたたかさがあって、自分を見てくれている人がいて、そこが自分の居場所になる。私たちは、そんな場所をつくっていきたいと思っています」(水口CEO)

人間らしく生きるその本質は、きっと100年後も変わることのないもの。私たちスターバックスは、人と人のつながりを大切に、誰にとっても心地よい、あたたかな居場所を提供し続けます。一杯のコーヒーの力を信じて、人々の心を豊かに、活力あるものにするために。スターバックスの挑戦は、これからも続いていきます。