私にできることを積み重ねて。進化するハミングバード プログラム


若者・子どもたちを応援する「ハミングバード プログラム」とは

森が燃えていました。
一羽のハチドリだけが、くちばしで水のしずくを一滴ずつ運んで、火の上に落とします。
「そんなことをして何になるんだ」
笑う周りの動物たちに、ハチドリは答えました。
「私は、私にできることをしているだけ」

南米アンデス地方の民話『ハチドリのひとしずく』は、小さな力の大切さを教えてくれるハチドリ=ハミングバードの物語です。東日本大震災を受けて発足したスターバックスの寄付プログラム「ハミングバード プログラム」は、この物語にちなんで名付けられました。

期間中、スターバックス カード「ハミングバード」を発行の際に、お客様から100円の寄付をお預かりする仕組み。さらに期間中に対象カードで購入いただいた商品代金の1%相当額をスターバックスが寄付します。2018年からはスターバックスのロイヤルティプログラム「Starbucks® Reward」で発行したReward eTicketを活用した寄付も加わりました。

これまで2012年度から2021年度まで9回実施し、発行したカードはのべ78万5,616枚。累計寄付金額は、 176,777,569円になりました。全国たくさんのお客様にご参加いただいたことで、大きな支援が実現しています。

2011年3月、東日本大震災発生。「私たちにできること」を探して

2011年3月11日、未曾有の被害をもたらした東日本大震災。

「今、私たちにできることはなんだろう」。当時、全国のパートナー(従業員)が、それぞれに自問自答を繰り返していました。

2011年の7月には、他企業と共同で、被災地でコーヒーを楽しんでもらう活動が始まりました。2012年3月には、全国のストアマネージャー(店長)が仮設住宅に避難されている方々を訪問。直接被災された方のお話をうかがったことも手伝い、全国のパートナーから、もっと何かしたいという声が強まっていきました。

全国の店舗で、全国のお客様とともに、被災地を支援できないかーーそんな想いが結実して、誕生したのが、「ハミングバード プログラム」でした。

震災遺児の進学をサポートする「みちのく未来基金」との歩み

2012年度から現在まで、寄付先となっているのが「みちのく未来基金」です。震災で親を亡くした若者が、大学・短期大学・専門学校等に進学を希望する時、奨学金を給付しています。

広報部の佐藤 瞳さんは、同団体について、「奨学生と団体スタッフとが家族のように支え合う関係性が、人と人のつながりを大事にするスターバックスの姿勢と重なり、支援が決まりました」と話します。

年に一度、奨学生たちやサポーターが集まるイベントには、全国のスターバックス店舗からパートナーの代表が参加(※)。奨学生と一緒にコーヒーをサーブしてきました。

このコーヒーサーブ、スターバックスのグリーンエプロンを着てみたい!と担当を志願する奨学生がたくさんいるそうです。イベントを盛り上げ、奨学生たちの楽しみにもなっています。

みちのく未来基金の齋藤 雅子さんは、スターバックスについてこんなことを話してくれました。

「寄付の金額はもちろん、参加してくださる方が本当にたくさんいらっしゃるのがハミングバード プログラムの支援。これまでのべ78万人以上の方が参加してくださり、活動を知ってくださった方に至ってはもっともっとたくさんいるはずですよね。店頭で私たちを知り、直接寄付を申し込んでくださった企業様や個人の方もかなりの数いらっしゃいます」

※新型コロナウイルスの影響で、2020年は中止、2021年はオンラインで開催

2020年から支援の輪を拡大。経済的困難を抱える若者に学びを

2020年からは、経済的困難を抱える若者に学ぶ機会を提供する「チャンス・フォー・チルドレン(以下CFC)」も寄付先に加わりました。

「47都道府県に出店している今、東北地方以外にも困っている若者がいることはわかっていました。全国のパートナーやお客様からも支援の輪を広げられないかという声が聞かれるようになっていたんです」と佐藤さんは支援先を広げた経緯を話します。

CFCは、経済的に困窮する家庭の若者や子どもたちに「スタディクーポン」を配布する支援を行っています。クーポンは、学習塾や英語教室、ピアノやスイミングなど、子どもが希望する幅広い学びの場に利用することができます。

「子どもたちには、自由に学べる環境を用意して、自分で学びを選びとる経験をしてほしいと考えました」と代表の今井さんは話します。

「今は、子どもの置かれた環境も、子どもたち自身も多様化しています。輝ける場所は一人ひとり違う。だからこそ、学ぶ場所を限定せず、子どもたちが要望した場所とCFCが提携する形で学びの場を増やしてきました」と今井さん。子どもたちが意思決定するプロセス自体を支えるために、CFCは大学生ボランティアが彼らに寄り添う制度も整えています。

パートナーやお客様といっしょに、輪を広げていく

「塾に通える、母の負担を減らせる、とうれしかった」
「クーポンのおかげで、泳げるようになり自信がつきました」
――スタディクーポンを受け取った若者や子どもたちの声です。

「スターバックスさんとパートナーシップを結び、支援の規模は格段に広がりました。教育格差の問題をたくさんの方に伝えられていることの意義も大きい。パートナーのみなさんから応援いただいていることも、大きな力になっています」(今井さん)

2021年3月、スターバックスは、CFCを招き、若者たちをめぐる状況を知るオンライン勉強会を開催。200人を超えるパートナーが参加しました。

「身近にこんなに困っている若者や子どもたちがいることを初めて知った、という声が多く寄せられました。自分たちのできることとして、ハミングバード プログラムの輪をいっそう広げていきたいという機運が高まったように思います」と佐藤さん。

プログラムの内容を伝える漫画を描き、社内SNSで紹介するパートナーや、パートナーが自主的に勉強会を開いた店舗も。パートナーからパートナーへ、熱意が伝播していった様子を教えてくれました。

店舗のコミュニケーションボードにもパートナーの力作が揃う

佐藤さんは、ユース支援はこれからのスターバックスにとって、いっそう重要なテーマになっていくと話します。

「スターバックスの持っているものと、若者たちの求めるものの接点を探して、さらに一歩踏み出した支援もしていきたいと考えています」(佐藤さん)

ハミングバード プログラムは、東北支援として始まり、広く若者の学ぶ機会をサポートする活動へと発展してきました。

一人ひとりが、できることを誠実に。

しずくを運び続けたハチドリのように、活動を続けてきたプログラム。パートナーから、そしてお客様から生まれた支援の輪は、波紋のように広がり続けています。

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捨てずに直して使い続けるライフスタイルを楽しむ