みんな違って当たり前。店舗を、障がいという個性が輝く場所へ
障がいのあるパートナーが各地で活躍
さまざまな背景を持った人が集まり、ともに働くスターバックス。障がいのあるパートナー(従業員)も多く、2021年6月現在、368名(知的障がい 76.6%、身体障がい20.4%、精神障がい3.0%)が在籍しています。そのほとんどが店舗に勤務しており、スターバックス体験をお客様に提供しています。
東京都内の店舗に勤務する茂木(もてぎ)さんもそのひとり 。勤続16年目を迎え、お店ではレジや接客を中心に担当。明るく、笑顔でハキハキと接客する様子が印象的です。
茂木さんは混雑時、レジ付近で迷っているお客様がいらっしゃれば最後尾へご案内したり、席を確保しないまま列に並んでいるお客様がお席に着けないことがないよう、率先してお声掛けを行なったりしています。「お店の中でお客様のことを誰よりも考えて行動しているのが茂木さん」と、一緒に働くパートナーたちは口をそろえます。
忙しい時間帯、焦ってしまった際は、水を飲んで落ち着いてから業務に取り組むようにしているそう。その際には、「茂木さん、大丈夫?」と周りのパートナーも声をかけて寄り添い、必要があればサポートに回ります。
反対に、茂木さんがほかのパートナーをサポートすることも。コーヒーの仕込みで忙しそうな時は「レジ業務を代わりましょうか?」と茂木さん自ら周りに声をかけ、連携を図っているそうです。
大切なのは障がいの有無ではなく、価値観への共感
「パートナーの採用については、障がいのあるなしに関わらず、スターバックスの価値観に共感して取り組んでくださる方かという点を大切にしています」と語るのは、人事部の田中 幹人さんです。
「子育てのために産休や育休の制度があるのと同様、入社後、障がいのある方が安心して働くための制度もあります」と田中さん。
障がいのあるパートナーが活用できる「チャレンジパートナーサポートプログラム」は、必要に応じて「コーチ」と呼ばれるパートナーが、障がいのある方の個性や特性に寄り添ってともに業務に取り組みます。また、一人ひとりの成長スピードやニーズに合わせてアルバイトから社員への登用も行なっています。
茂木さんも、制度を利用しながら働くひとりです。自身の希望で社員として勤務した時期もありましたが、体調の変化もあり、現在はアルバイトに雇用形態を再度変更。無理なく勤務を続けています。
多様性が個人や職場環境全体を成長させる
障がいのある方含め、様々な背景を持つパートナーが活躍することは、職場に良い影響を与えています。シフトスーパーバイザー(時間帯責任者)の樋口さんは、他店より異動し、茂木さんと一緒に働いて半年ほど。異動してきて、真っ先にパートナーの行動を称える「GABカード(※)」を贈った相手が茂木さんでした。
「常にお客様のことを考えて行動し、周囲を明るい雰囲気にしてくれる、まさに『輝く存在』だとひと目見て思いました。接客についてもたくさん学ばせていただいています」(樋口さん)
また、茂木さんが得意な接客に集中できるよう、周囲のパートナーがサポートする様子を見て、樋口さん自身も助け合って行動しようという意識がより強くなったそうです。
「誰に対しても変わらず、明るく接してくださる茂木さんは、お客様はもちろん、パートナーからも大人気。同じ時間に働けるパートナーは『やった!』と声を上げるくらいです」と樋口さん。茂木さんとの出会いを通して、さまざまな人とともに働く楽しさを改めて知ることができました、と笑顔で語ってくれました。
※GABカード…スターバックスの行動規範に沿った素晴らしい行動をとったパートナーに対して、パートナーが感謝や敬意を伝えるためのカード。メッセージを手書きで記入して手渡しする。
地域とつながり、店舗を障がいのある方の表現の場に
スターバックスの店舗が、雇用の面以外で、障がいのある方の表現の場になっている例もあります。
例えば、ムスブ田町2階店のアートワーク。同店周辺のエリアに住む障がいのある方々とそのご家族、同店のパートナーが一緒に作り上げた作品が採用されています。
コーヒーで染めた木端材に、各々が自由な発想で描いた絵を組み合わせており、スターバックスの大切にしているダイバーシティや、地域社会とのつながりを感じることができる作品です。
スターバックスでは、それぞれの店舗のコンセプトに合わせ、地域との関わりのある作品を採用しています。その結果、現在46の店舗で、障がいのある方が関わった作品を展示しています。
障がいを含め、個人の違いはどれも大切な「自分らしさ」。スターバックスでは今日も、たくさんの個性が輝いています。