「タンブラーを日本でも身近に」 進化の道のりから見えてくる、日本ならではのこだわりとは


日本上陸以来25年、スターバックスは日本のコーヒーシーンに様々なスタイルをご提案してきました。

カップの持ち歩きや、「サードプレイス」としてのカフェの在り方、自分好みのドリンクを見つけるカスタマイズ、そして、「タンブラー」もその一つ。

今では身近なアイテムになったマイタンブラーやマイボトルですが、スターバックスの1号店がオープンした1996年は、タンブラーという言葉さえも一般的ではありませんでした。

長年、スターバックスでタンブラーなどのドリンクウェアの商品企画に携わる、MD商品開発チームの鐘ヶ江さん。初めてスターバックスのタンブラーを目にした印象は、「いかにもアメリカっぽい!」だったといいます。「大容量のボディに、タフだけどスタイリッシュなデザイン。スターバックスがアメリカ生まれであることを改めて感じさせるような、新鮮な存在でしたね」 。

そうして日本にやってきたスターバックスのタンブラーは、徐々に国内オリジナル開発の商品が主流に。日本らしい細やかなデザインや、お客様のニーズに寄り添う機能、サイズ展開など少しずつその姿を変えてきました。日本のライフスタイルになじむまでの道のりを振り返ります。

機能性は二の次!?元祖タンブラーは超シンプルな筒形

日本上陸当時のタンブラーは、国内開発はしておらず、アメリカの陽気をまとった大胆なデザインが主流でした。当時のブランドロゴをあしらったロゴタンブラーも、シンプルな筒形。穴が開いているだけの飲み口や、ボタンを押さえながら飲む仕様のものなど、カバンに入れて持ち運ぶのは想定外のアイテムが主でした。

それでもカラフルでダイナミックなデザインは、当時の日本では新鮮に映り、徐々に浸透していきます。

初期の隠れた名品は?という質問に、「持ち運びできるタンブラー型のコーヒープレス、『トラベルプレス』でしょうか。」と鐘ヶ江さん。「挽いた豆を入れてお湯を注ぎ、4分待てば、自分好みのコーヒーを出来立てで楽しめる珍しいタンブラーで、意外にも人気があったそうですよ」。

タンブラー型コーヒープレス 「トラベルプレス」

桜をまとい、世界へ。たった1本のタンブラーから
始まったSAKURAヒストリー

スターバックスのタンブラーヒストリーに転機が訪れたのは、日本上陸から7年が経過した2003年。美しい桜のデザインをあしらった日本オリジナル商品、「SAKURA」タンブラーが誕生した時でした。

スタイリッシュなタンブラーに、日本ならではの繊細なデザインが施された異色の“ブレンド”が、たちまち人々を魅了し、以降18年間欠かさず、一足早い春の風を運ぶ存在として愛され続けています。

特に鐘ヶ江さんが思い出深いデザインとして語るのは、2005年に発売された夜桜のシリーズ。日が暮れてもなお、名残惜しく桜を愛でる人々の心情が表現されているようなデザインに、「ぐっときましたね。日本人みんなの心に共通して響く情景」と語ります。

数年後には、SAKURAフレーバーのビバレッジやフードも仲間入り。いつしかスターバックスの春の一大プロモーションとして盛り上がりを見せ、今ではアジアのスターバックスにも拡大。日本人が誇るSAKURAは海を越えて、各地に満開の花を咲かせています。

日本のライフスタイルなじむタンブラーって?
小技を効かせる商品開発

デザインの次は、使い心地。日本独自の機能面の工夫にも着手します。

その代表的な商品が、「太陽の日差しが気持ちのいい日に使ってほしい」と願いを込めて、ネーミングした「サニーボトル」。名づけ親であり、商品企画を担当した鐘ヶ江さんは、「中間で分解できるサニーボトルは、細部まで手がしっかり届き洗いやすい仕様。日本人はなんといってもキレイ好きですから」と語ります。清潔に使えるだけでなく、大きく開くボトルは氷を出し入れしやすいのも特長。2014年の誕生以降、今でも根強い人気の、技ありアイテムです。

サニーボトル

さらに、近年愛されるタンブラーのもう一つの特長として、「小さいサイズ感」があるといいます。「日本のお客様は、ごくごく飲むというより、ちょっと喉を潤したいというニーズがある。欧米との大きな違いですね。」。スターバックスのショートサイズにあたるような、容量の小さいタンブラーを定期的に発売し、身軽に楽しむコーヒースタイルを提案しています。

お気に入りの良いものを、永く大切に。お客様と一緒に育むサステナブルなスタイル

日本のライフスタイルに合わせ、デザインや機能を追求してきたタンブラー。最近では、ステンレス製など機能性が高いタンブラーが特に人気を集め、「丈夫で高機能なものを長く使い、使い捨てを減らす。そういったサステナブルな考え方がますます浸透してきている」といいます。

日本上陸時からスターバックスは、タンブラーをご持参いただくと、環境への取り組みに協力いただいたお礼として、お好きなビバレッジを20円(税抜)引きするサービスを継続してきました。手に馴染んだタンブラーを持ち込み、ビバレッジを楽しむスタイルを鐘ヶ江さんは、「昔のお豆腐屋さんみたい」と例えます。「25年前は真新しく映ったタンブラー文化ですが、実は日本人が昔から持つ感覚の延長だなと。お気に入りを、大切に繰り返し使う心地よさを、今改めて発信していきたい」と意気込みを語りました。


さて、8月27日(金)は、「HAPPY TUMBLER DAY」。マイタンブラー持参で55円*引きでビバレッジをお楽しみいただけます。

いつものビバレッジを自分だけのとっておきの一杯に。店頭で色とりどりのタンブラーに出合えることを心待ちにしています。

*表示価格は店内税込価格。お持ち帰り税込価格は54円引き

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“第2の人生“をスターバックスで。輝く2人のパートナーの挑戦。