持続可能な未来へつなぐ有機栽培のお茶作り。TEAVANA™「霧島 玉露」

霧島玉露

一番茶摘みが始まる八十八夜が近づき、茶畑が一年間で最も美しく色づく季節。スターバックス リザーブ® ロースタリー 東京のTEAVANA™では、4月20日より「霧島 玉露」を発売します。その茶葉を育て、加工するのは、有機栽培にこだわる鹿児島県の「西製茶工場」です。代表の西 利実さんに、お茶作りにかける揺るぎない情熱やこれまでのストーリーについて伺いました。

香り高く、うまみが凝縮された特別な玉露

今回ロースタリー 東京でお届けする「霧島 玉露」は、若葉を思わせる清々しい香りと、上質な出汁(だし)を感じさせる奥深いうまみが特徴です。とろりとした喉越しでコクがあり、しっかりとした味わいながらも爽やかでキレが良く、最後は穏やかな甘みの余韻がほのかに広がります。リラックスしたいとき、集中したいとき、誰かと語らうときなど、どんなシーンにもぴったりなティーです。


その茶葉を栽培する鹿児島県の西製茶工場は、約25年前から化学肥料を使わない有機栽培にこだわり続けてきました。今回お話を聞いた代表の西 利実さんは茶園の三代目です。

霧島の自然とともに育てるサステナブルなお茶

「少しの気候の変化や害虫、病気などで味が大きく変わる繊細な茶葉の栽培において、農薬や化学肥料を使わない有機栽培は手間がかかり、管理が難しいうえに収穫量も多くはありません。しかし、自分たちの経験と技術で、どこまでおいしいお茶を作れるのか挑戦を続けてきました」(西さん)

西製茶工場の茶畑が広がるのは、南九州、鹿児島県霧島連山のふもと。昼と夜の寒暖差、清らかな水と澄み切った空気、そして深い朝霧と、おいしいお茶を作るための条件が揃った地域です。有機栽培に適した環境でもあり、茶畑を囲うように自生する木々は強風を防ぎ、森の野鳥が茶葉にとっての害虫を食べて取り除いてくれます。西製茶工場が、森林や生態系の保護、農園の労働環境など、持続可能な農業を行ってこれたのは、この土地が味方をしてくれたことも大きいと西さんは語ります。この恵まれた大地に感謝し、次世代に残すため、西さんは県内の有機栽培農家とともに霧島の自然を守る活動にも取り組んでいます。

笑顔でオンライン取材に応じてくれた西製茶工場代表の西 利実さん

「有機栽培のお茶作りは、父の代から取り組んできました。有機JAS制度ができる前だったので食品の品質表示規格も曖昧な時代でした。そのため、有機栽培は販売につながるような強みではありませんでしたが、父は挑戦をやめませんでした。最初は失敗の連続でしたが、それでもめげずに茶園の周囲の土地で刈られた草やたい肥などを発酵させた有機肥料を作り、細かく畑に散布することを徹底し、試行錯誤を繰り返しました。その結果、一本の糸を辿るようにしてようやく味わいにも満足がいく、有機栽培でのお茶づくりを可能にすることができました」(西さん)

新しいことに積極的にチャレンジする姿勢は、創業者である西さんの祖父の時代から受け継がれたものだといいます。当時の業界では珍しく、市場を通さずに直接販売を行い、常にお客様と近い距離でつながっていたそうです。どういうものを作ればお客様が喜ぶのかを一番に考え、改善し続ける熱意が今でもしっかりと継承されています。

次世代に豊かな土壌を残しながら、高品質なお茶が作れることを証明したい

茶畑は、山間部の涼しい高台にある

西さんの一日は、広大な茶畑を見回ることから始まります。土壌や製品の分析などデータ管理も徹底していますが、経験から培った五感も、同じくらい重視しています。茶葉の状態を観察し、今畑に何が必要なのか見極める。これは長年真剣にお茶と向き合ってきたからできることです。

「製茶は体力仕事。特に茶摘みの時期は、寝る時間もないほど忙しくなります。けれども美しく育ってくれた茶葉をベストな状態で摘み取り、おいしいお茶にしたい。その想いで、ただひたすら目の前の茶葉に全力を注いでいます」(西さん)

西製茶工場で働く社員の平均年齢は35歳と、農業就業者の高齢化が進む中ではとても若い印象を受けます。自然豊かな場所で働きたい、有機栽培のお茶づくりに携わりたいと集まったメンバーが30名ほど在籍しています。なかには西さんに憧れて東京ほか海外から移住してきた人もいるそうで、フランクに意見を言い合える風通しの良い職場には、笑顔があふれています。

西製茶工場のみなさんの想いを乗せた「霧島玉露」は店舗でお楽しみいただくほか、ご自宅用には30gのパック販売も行います。西さんより、ぜひ試してもらいたいおすすめの味わい方を教わりました。

「茶葉が浸る程度に40度~50度くらいの低めの温度のお湯を注ぎ、最初の一滴だけを飲んでみるのも面白いかもしれません。より強い香りと凝縮されたうまみに驚くと思いますよ」(西さん)

三代続く技術と信念に想いを馳せて

祖父から父へ、そして三代目の西さんへと渡った、お茶作りのバトン。技術はもちろん、チャレンジ精神や自然への感謝もしっかりと引き継がれています。産地へ想いを馳せ、新緑の季節の訪れを感じながらお楽しみください。