約6万人のバリスタから選ばれたコーヒー アンバサダーが語るコーヒーへの情熱(前編)


コーヒーの知識や情熱を、接客ステージやプレゼンテーションを通して競い合う2年に1度の社内競技会「コーヒー アンバサダー カップ 2023」が開かれ、全国約1900店舗・約6万人のパートナー(従業員)の中から「第18代コーヒー アンバサダー」が決定しました。第18代コーヒー アンバサダーを含む大会のファイナリスト4名は、これから2年間、店舗に立ちながら、コーヒー アンバサダーとして社内外でコーヒーの啓発活動をリードしていきます。各々が持つコーヒーへの情熱を前後編に分けてご紹介します。

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「コーヒーでつながりを生むという目標を実現したい」下出さん

まず1人目にご紹介するのは「第18代コーヒー アンバサダー」に選ばれた下出さん。札幌市内でアシスタント ストアマネージャー(副店長)として勤務しています。

学生時代にスターバックスでアルバイトをしていた下出さんは、その後IT企業のシステムエンジニアとして就職。しかし接客業から一転してパソコンと向き合う日々にギャップを感じていました。
そんな時に訪れたカフェ。「ふと周りを見たら、資格の勉強をする人がいて、カフェって人の未来を作っている場所でもあるんだなと思いました。カフェは自分の好きなコーヒーで社会や人々とつながれる場所だ!と思い、スターバックスに戻ることを決めました」。数あるコーヒー店の中からスターバックスを選んだのは、「コーヒーをよく知らない人にも楽しめる一杯を提供したい。スターバックスならそれが可能だと思ったから」だと語ります。

こうして気づいたスターバックスの魅力とともに、「コーヒーを通じたつながりを生み出したい」という目標を持ち、コーヒー アンバサダーを目指すようになります。「その目標を実現するためには、まずは全国のパートナーにコーヒーにより親しみを持ってもらうことが大切。そのためにアンバサダーとして、コーヒーのおもしろさや魅力を広く伝えていきたいです」。

では、下出さんにとってコーヒーのおもしろさとは何でしょう?
「コーヒーを飲むと、世界とつながれた気がします。さまざまな地域に生産者の方々がいて、そこからたくさんの紡ぎがあってこの一杯にたどり着いているというストーリーを考えると、いろいろな人と思いやりでつながれたように感じるんです。そんな一杯をお客様にもおいしいと思ってもらえるように、濃度、成分、見せ方、空間、添えるひと言…をどうするか、そんなことを考えていくのが好きです」。

想いのこもった一杯を届けるとともに、技術の向上にも積極的です。下出さんの強みは、ラテアート。昨年は社内競技大会「ラテアートチャンピオンシップ」で350人の参加者の頂点になり、日本代表としてアジア大会にも出場。今では一緒に働くパートナーだけでなく、他店舗のパートナーにもラテアートを教えています。
「ラテアートはコーヒーの魅力を知ってもらうきっかけになりやすいものなので、そこに貢献できるのはとてもうれしい」と下出さん。コーヒー アンバサダーとしても、社内外にコーヒーの面白さやラテアートの魅力を伝えるチャンスだと感じています。「コーヒーカンパニーとして社外から学べることも多くあるので、得た知識を社内に伝える橋渡し役になれたら」と、コーヒーへの情熱はひたむきです。

そしてその先の目標も見据えています。コーヒー アンバサダーが出場権を得られるスターバックスのアジア大会・リージョナル バリスタ チャンピオンシップで力を発揮すること。「パートナーのみんなをもっと活気づけられる、そんなパフォーマンスの機会になると思うので、そこで結果を残したいと思っています」。

「人に影響を与えられるバリスタに」。大貝さん

熊本市内の店舗のアシスタント ストアマネージャーの大貝さんは、初めての挑戦で予選を勝ち抜き、西日本リージョナル コーヒー アンバサダーになりました。目指すのは、「人に影響を与えられるバリスタ」。
「お客様やパートナーと一緒にコーヒーを楽しむ時に、グッと心を動かす瞬間を生み出せるバリスタになりたいと思っています」。

では、大貝さんにとっての心を動かされた瞬間とは?
「アルバイトになりたてのころに先輩バリスタがいれてくれたケニアのコーヒーを飲んだ瞬間です。味わいだけでなく、生産地の風景まで語りながら一緒にコーヒーを飲んでくれました。そうしていると、他のパートナーも集まって来て、話が広がるんですよね。コーヒーを飲むとこんな風に人とつながれるんだというのが、私のコーヒージャーニーの出発の思い出です。お客様にもパートナーにもそんな想いを感じてほしいと思っています」。

そのために普段から大切にしていることが2つあります。ひとつは、お客様を歓迎すること。「入店時に気付いてもらえない寂しさを感じてほしくないんです。だから、まず来店に気付き、目を合わせて明るい挨拶を心がけています」。そしてもうひとつは、パートナーに一歩踏み出す勇気を伝えること。
「私自身、想いが先走って、パートナーと衝突するという失敗を経験し、相手の背景を理解することの大切さを学びました。素敵な想いやスキルを持っているパートナーがたくさんいるので、それぞれの目標を実現するためにはどうしたらよいか、対話しながらサポートしています」。

コーヒー アンバサダーとしても「人を巻き込むことができるようになりたい」と想いは一貫しています。「私のチャレンジや成長する姿を見て、楽しそうだな、自分も一緒にやってみたいなと思ってもらいたいんです」。

実際、予選の準備の際にそれを実感した出来事があります。熊本エリアの他店舗を巡ってコーヒーの勉強をしていた時のこと。各店のパートナーと積極的にコミュニケーションをとっていったそう。「力を貸してくれたり、私の姿を見てお店でお客様とテイスティングをしてみましたという声を聞いたり。私のチャレンジがスタートではあったけど、少しずつ影響が広がって、チームで一歩踏み出すことにつながるんだと実感しました」。


大貝さんには、迷った時にいつも立ち返る思いがあります。
「“誰もが居場所と感じられる文化を作る”というスターバックスの当時のValues(行動指針)に共感して入社しました。仕事を通じて仲間やお客様が居場所と感じられる場所を作れたら、自分にとってもうれしいこと。私の軸になっている想いです」。

個性あふれるコーヒー アンバサダーたちは、それぞれのコーヒーへの情熱を胸に、さらに成長しながらこれからの2年間を歩んでいきます。

後編では、中日本とスターバックス リザーブ® ロースタリー 東京の代表2名をご紹介します。

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「目に見えにくい特徴も大切に」スターバックスが考える『NO FILTER』な社会とは?