「ハミングバード プログラム」が今年もスタート。子どもたちに寄り添う学生スタッフが見た支援現場の今
全国のお客様と共に、経済的に困難な若者・子どもたちの教育を支援する「ハミングバード プログラム」。12年目を迎える今年も3月9日からプログラムがスタートします。スターバックス カードの発行や利用、eTicketの利用が、支援を必要とする子どもたちの応援に。
寄付先となる公益社団法人チャンス・フォー・チルドレン(以下、CFC)では「ブラザー・シスター(以下、ブラシス)」と呼ばれる大学生ボランティアスタッフが大活躍。ブラシスメンバーの話をもとに、皆さんからいただいた寄付がどのように子どもたちに届いているのかをお伝えします。
子どもたちの「やりたいこと探し」を手伝う
家庭の経済的な事情で、塾や習い事に通うことができない。そんな子どもたちが夢をあきらめないでいいように、CFCではスタディクーポンという塾や習い事に使えるチケットを発行しています。
でもすべての子どもたちが自分のやりたいことを自分でわかっているわけではありません。そんなときに月に一度の面談を通じて、クーポン利用者の子どもたちがやりたいことを探すのを手伝ったり、様々な相談に乗って信頼関係を築くのがブラシスの役割です。
今回お話を聞いたのは大学院2年生の髙森さくらさんと大学4年生の星野円花さん。
髙森さんは貧困問題に興味を持ち、先輩から誘われたことがきっかけでブラシスに。将来心理カウンセラーを目指している星野さんは、アルバイトとして働くスターバックスの店長に薦められ、ブラシスとしての経験が将来の夢に役立つのではないかと、参加を決めたそうです。
お二人はこれまでどのような子どもを担当したのでしょうか?
「私は2022年の夏からブラシスの活動をはじめたので、まだ半年ほどしか経っていません。これまでに担当させてもらったのは中1の男子、中3の男子、高1の女子ですね。3人とそれぞれ月に1回面談をしてきました。
実はもう少し子どもたち自身が困った感じを出しているのかと思ったのですが、意外とそうでもなくて。本当に明るくて元気なのに驚きました」(星野さん)
「私は東京を拠点とするブラシスの一期生で、これまで3年間活動してきて、下は中1から上は高1までの子どもを担当しました。塾にクーポンを使う子どもが多いのですが、一部には美術系の専門学校に通うから絵を学びたいという子もいて。
その子は話すのが苦手で、最初は代わりにお母さんが話すくらいだったんです。絵が好きなので、絵しりとりでコミュニケーションをとっていたりしたら、少しずつ雑談をしてくれるようになって。その子のお母さんから『子どもに合わせたやり方にしてくれてありがとう』と言ってもらえたのが印象に残っています」(髙森さん)
子どもたちと接する役割はコミュニケーションのとり方によって、相手の心を傷つけてしまったり、可能性を閉ざしてしまう可能性もあります。ブラシスの皆さんは研修を受けて、それぞれが責任感を持って子どもたちと向き合っています。
「ブラシスのみんなで意識しているのは、子どもの考えや発言を否定しないこと。あとはセンシティブなところにこちらから踏み込んでいかないことです。これは研修で習って今でもしっかり守っていますね。
私が個人的に大事にしているのは程よい立ち位置をキープすること。私たちは親でもなくて友達でもない、月に1回会う立場です。だからこそ話せることってあると思うんです」(髙森さん)
「私、相手は自分の鏡だと思っているんです。だから、何よりまず自分が楽しむことを心がけています。
あとは中途半端に期待させるようなことを言わないこと。私たちは利用者の子たちにとって話しやすいお兄さんやお姉さんみたいな存在です。だからこそ言いにくいことを言ってくれたりすることもあるのですが、その場しのぎで期待させてしまうようなことを言ってしまうと『やっぱりダメだった』と逆にがっかりさせてしまうかもしれません。
わからないことはわからないと正直に言うことも大切かなって」(星野さん)
支援の輪が循環していく
お二人と話して感じるのは、子どもと根気強く向き合っていくことの大切さ。CFCでは地域の自治体や学校等と連携して、支援を必要とする子どもを探し出しています。場合によっては子どもや親御さんも自覚のない「助けを求める声」を拾い、支援につなげていくのです。
時間はかかる。でも、彼女たちの活動は少しずつ着実に、子どもたちの未来へとつながっています。
「私が担当している中1の男子が、『以前からやりたかった習い事をできるチャンスをもらえた』と言ってくれて、それがすごく印象に残っています。習い事をできる機会は家庭の事情によってしまうけれど、その経験が将来を左右する可能性だってあるわけです。その機会の差を埋められるのは、素晴らしいことだなと思います」(星野さん)
「星野さんが話したように機会の差を補填できるというのはとても意義のあることだと思います。それに加えて、CFCのような団体があると知ることも、子どもたちの将来の選択肢を広げることにつながるのではないでしょうか。『そういえば自分も助けてもらったから、誰かの役に立つ仕事に就こう』とか。
実は私、ブラシスの活動がきっかけで貧困の原因を考えるうちに、雇用機会の拡充に力を使いたいと思って、中小企業をサポートする行政法人に勤めることにしたんです。私もCFCで選択肢が広がったうちの一人なんですよね」(髙森さん)
子どもたちだけではなく、スタッフの可能性も広げることにつながっていたCFC。実は取材に同席していたCFC職員の入安にろさんも、ブラシスメンバーだったことがきっかけで、CFCに就職したという経歴の持ち主。
「私はCFCの設立当初からブラシス時代も含めて11年ほど活動に関わってきました。今思うのは支援の輪って循環するということ。東日本大震災が起きた2011年当時、クーポンを利用していた子どもが大学生になってブラシスとして手伝ってくれたり。私自身もそうですが、ブラシスのボランティアをやっていたメンバーが職員になってくれたり。ボランティアをやっていた学生が寄付者になってくれたり。どんどん支援の輪がつながって、回るようになっている気がするんです」(入安)
2023年も「ハミングバード プログラム」がスタート
広がり、循環していく支援の輪。「ハミングバード プログラム」も2012年から2022年までに累計84万人のお客様に賛同いただき、1億9600万円の寄付につながっています。
そして2023年も3月9日から全国のスターバックスで「ハミングバード プログラム」がスタートします。①本プログラム期間限定デザインとして登場するスターバックス カードの発行、②これまでの寄付対象カードの利用、③ロイヤルティプログラム「Starbucks®️ Rewards」で発行したeTicketの寄付、の3つの方法からご参加いただけます。
最後に入安さんからこのSTARBUCKS STORIES JAPANをご覧いただいている皆さんにメッセージをいただきました。
「私、実は大のスターバックスファンなんです。学生の頃から『ハミングバード プログラム』のことは知っていました。それが10年以上経って、こうして支援先の団体という立場で『ハミングバード プログラム』と関わらせていただくことに不思議な縁を感じつつ、感謝の気持ちが絶えません。
『寄付をするんだ』と肩肘を張らず、『このカードを使ってコーヒーを飲めばどこかで誰かが少しホッとするかもしれない』というような温かい気持ちでご参加いただけると嬉しいです」(入安さん)
若者・子どもたちの夢を支援するための循環の輪。「ハミングバード プログラム」にぜひご参加ください。
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