生産地で触れたコーヒーへの愛 オリジンエクスペリエンスより


Starbucks Stories Japanをご覧の皆さん、こんにちは!西日本リージョナル コーヒーアンバサダーの緒方です。普段は大阪の店舗でストア マネージャーとして勤務しています。

12月から続いたオリジンエクスペリエンスシリーズの最終回は、「コーヒーへの愛」について紹介します。

「愛を持って誠実に向き合う」

これは、店舗で働いている時、一緒に働くパートナー(従業員)に対して、私が感じていることです。コスタリカでは、コーヒーが生活の中心にあり、コーヒーを家族のように愛し、誇りを持っていることを、誰もが感情豊かに表現していました。濃厚で発見の多い3日間でしたが、私が日々、店舗に立ちながら感じていることと通じる、はっとする体験をたくさんの言葉とともに振り返りたいと思います。

コーヒーを植えることの意味

スターバックスの自社農園「ハシエンダ アルサシア」では、お客様のもとに届くコーヒーの栽培だけでなく、未来につながる研究用のコーヒーも栽培しています。農園の中に、種をまいてから6か月が過ぎたコーヒーの苗木が広がる「エスペランサ」(スペイン語で「希望」)という区画がありました。その名の由来は、数年後、苗木が立派に成長した時に、コーヒーの未来を明るく照らす希望になるように、という思いが込められているそうです。説明してくれたのは、毎日木々の成長を見守る農園主のビクターさん。農園を一から築き上げてきたビクターさんは、まさに農園で働く人たちのお父さんのような存在。愛がこもったその区画で、私たちもコーヒーの苗木を植えました。

「スターバックスやコーヒーの未来をイメージしながら、『愛、信じること、希望』を込めて丁寧に苗木を植えてください」と私たちに語りかけるビクターさん。コーヒーの苗木はずっしりと重く、まるで小さな子どもを抱っこするようでした。言葉の意味を、自分自身に問いかけながら、土を掘り、丁寧に苗木を植えていきます。この時、自分が植えたこの小さな苗木が、将来大きく成長し、深緑の葉と真っ赤なコーヒーチェリーをまとった立派な木になることを、心から願いました。この経験は、コーヒー産業が持つ未来の、その喜びを想像することと同時に、コーヒーをお客様に届けていくバリスタとしての、大きな責任を感じ、背筋が伸びるような感覚を抱きました。

コーヒーは人生の一部

次に出会ったのは、小規模農家の女性を支援する「Been Voyage」というプログラムを担当する生産者たち。農園を1人で受け継ぎ、家族や周囲のサポートを得られずに、孤独に悩みながら栽培を続けてきた様々な境遇の女性たちが、このプログラムに参加しています。彼女たちが、どのような思いでコーヒーを育てているのか、真っすぐで力強い言葉を聞くことができました。

「コーヒーは人生の一部」「より良い未来の象徴」

この言葉は、「皆さんにとって、コーヒーとはどのような意味がありますか?」という問いに対する農家の女性たちの答えです。当たり前のように、「コーヒーが大切」と語る姿に、コーヒーは家族のような存在であり、その思いは愛情そのものだと気づかされました。単なる仕事や作物として、コーヒーをとらえているのではなく、コーヒーは、誇りや生きがいを感じる、人生になくてはならない大切な存在なのです。

コーヒーはしゃべることができない

エスペランサと別の区画、今度は「パラダイス」と呼ばれていました。まさに楽園にいるかのように、コーヒーを通して人々が幸せになることを願ってつけられたそうです。ぎっしりとチェリーがなったコーヒーの木が連なる中、アメリカやメキシコから来たパートナーと一緒にテイスティングしながら、再びビクターさんがコーヒーへの想いを話してくれました。

「コーヒーは喋ることができない。だからこそ、丁寧に見てあげる必要がある」コーヒーの生育が悪かったり、長雨など天気が悪かったりすると、夜も眠れなくなるというビクターさん。コーヒーの木を我が子のように思い、大切に育てていました。

私が3日間を通して驚いたのは、私がパートナーに対して抱いていた感情を、コスタリカの方たちは、コーヒーに対して注いでいたこと。

「愛を持って誠実に向き合う」

コーヒーを育てることは、パートナーに接することと同じなのです。コーヒーを、家族や子ども、人生の一部として思い、めいっぱい愛を込める。未来を創っていくために、お客様やパートナーとつながりを育むこと、コーヒーを大切に育てていることはどこか似ていて、スターバックスのミッションに通ずるものがあるということを再認識しました。

現地の人々の声を直に聞くことで知ることができた、たくさんの愛に包まれた「一杯のコーヒーの向こう側」にあるストーリーを、1人でも多くの店舗パートナー、そして多くのお客様に届けたいと思っています。 今日お話しした生産地でのストーリーが、コーヒーをより一層美味しく感じるスパイスに、そして、皆さんのコーヒーライフをさらに豊かにするものになれば本当にうれしいです。