ロースタリー 東京に、北海道・余市の風土を味わう日本ワインが登場


コーヒーやティーを五感で楽しむ体験を届けるほか、日本の文化や伝統、職人たちの技を発信する役割も担うスターバックス リザーブ® ロースタリー 東京(以下、ロースタリー 東京)で、11月1日(金)から日本ワイン2種類が楽しめるようになります。そのワインを生産する北海道・余市の平川ワイナリーを、ロースタリー 東京の商品開発担当者と共に訪ねました。

ロースタリー 東京をきっかけに、日本ワインに触れる

日本ワインを楽しめるのは、3F「アリビアーモ™ バー」(以下、アリビアーモ)。登場するのは、余市にある平川ワイナリーの「Blanc de Yoichi Cuvée Gastronomique (ブラン・ド・ヨイチ キュベ・ガストロノミック)」と「Rosé de Yoichi Cuvée Gastronomique (ロゼ・ド・ヨイチ キュベ・ガストロノミック)」の2種類です。ブラン・ド・ヨイチは、充実した果実味と華やかなアロマに、しっかりとした酸のフレッシュ感が楽しめる白ワイン。ロゼ・ド・ヨイチは、果実味と引き締まった酸の中にほのかな塩味を感じるロゼワインです。

日本ワインを提供する意図を「日本には良いお酒のつくり手がたくさんいます。ロースタリー 東京を入り口に日本ワインに触れていただき、興味を持たれたお客様が専門店に足を運ぶ、業界全体の活性化の一端を担えれば」と語るのは、ビバレッジ商品開発チームの石村さん。平川ワイナリーを訪れたのは9月中旬、ちょうどブドウの収穫が始まったころ。穏やかな丘陵地に広がるブドウ畑で、代表取締役で醸造家の平川敦雄さんが出迎えてくださいました。

ブラン・ド・ヨイチ キュベ・ガストロノミック(左)とロゼ・ド・ヨイチ キュベ・ガストロノミック(右)

日本ワインを提供する意図を「日本には良いお酒のつくり手がたくさんいます。ロースタリー 東京を入り口に日本ワインに触れていただき、興味を持たれたお客様が専門店に足を運ぶ、業界全体の活性化の一端を担えれば」と語るのは、ビバレッジ商品開発チームの石村さん。平川ワイナリーを訪れたのは9月中旬、ちょうどブドウの収穫が始まったころ。穏やかな丘陵地に広がるブドウ畑で、代表取締役で醸造家の平川敦雄さんが出迎えてくださいました。

産地固有の味わいを表現する

平川ワイナリーは自社農園のブドウのみを使い、年間約5万本のワインを生産。農業者であり、醸造者である平川さんは、フランスをはじめとする名ワイナリーなどで12年間、ブドウ栽培やワイン醸造を学び、同時に美食レストランなどでソムリエとしても従事してきたワインのエキスパートです。

「この土地の風土をワインで表現したい」

これは、取材の中で平川さんが何度も口にされた言葉です。

余市は北海道でも有数の醸造用ブドウの産地。近年は個性的なワイナリーも増えていますが、同じ余市でも場所によって異なる味が生まれると語ります。

「平川ファームのある余市西部の澤地区は、谷間の丘陵地で、風が吹き抜ける場所です。海の気候と山の気候が混ざり、日照条件の良い土地からは、糖度も酸度も高く、目鼻立ちのはっきりした高品質のワインが生まれます。 同じ余市でも東側の登(のぼり)という場所は風の影響を受けにくい立地が多く、温暖で穏やかな気候なので、果実味の豊かな優れたワインができます。余市産ワインのブランドは登が有名ですが、澤地区、仁木の旭台地区と共にいくつかの産地個性が明確になりつつあります」

広大な農園には、収穫期を迎えた白ブドウと黒ブドウがたわわに実っています。これらのブドウの品種は「非公開です」と平川さん。それは「先入観を持たずに、この土地のおいしさを味わってほしい」という平川さんのこだわりです。

「僕は品種のワインではなく、土地のワインを作りたいと思っています。同じ品種でも五区画あれば、全部味が違います。光の要素、土の要素、空気の要素…それぞれすべてがワインの個性になっていく。自然をどう解釈し、風土の味わいとしてどう表現していくのか。技術的になりすぎず、味わいを理解することから始まります」

醸造用ブドウもコーヒー豆も農業。その土地や育てる人が大切

ここからは、平川さんと石村さんに、今回のアリビアーモに登場するワインや、日本ワインの魅力について語っていただきます。

----アリビアーモでの日本ワインの楽しみ方は?

【平川さん】お店はコーヒーのアロマが強いので、そこでワインが勝てるのかなという心配はありました。でも、うちのワインも香ばしさを持っています。スターバックスさんがつくる、あの場所だからこそ生まれる環境なので、その中で味わうことも醍醐味だと思います。僕、テラスでロゼワインを飲むってすごくいいなって思うんです。

【石村さん】以前、こちらに伺ったときにも、そうおっしゃっていて、ドンピシャだなって思いました。アリビアーモにはテラス席があって、しかもテラスから見える目黒川の桜が、ロゼワインの色に似ているんですよね。

【平川さん】ロゼ・ド・ヨイチは豊かな果実味とフレッシュ感を持っています。食中酒としてつくっているので、いろいろな食材に合わせられますよ。トマト、煮込んだお肉やお魚料理、様々なハーブ、地中海の食材ともよく合います。

【石村さん】店内にあるイタリアンベーカリー「プリンチ®」は、トマトを使ったものや地中海を彷彿させる食材も多いので、相性がいいと思います。ブラン・ド・ヨイチもミネラルが強くて、塩味もけっこうストレートに感じられるくらいギュッとした白ワインなので、バゲット トラディツィオーネのようなシンプルなパンといったものがいいかな。

----日本のワインの品質や可能性とは?

【平川さん】日本のワインは20年前に比べると格段においしくなっています。海外に出していけるワインもたくさんありますし、うちのワインも海外のレストランで使っていただいています。北海道は、寒冷地特有の酸味やミネラル感の表現を生かしたワインづくりができるので、将来性豊かな産地のポテンシャルを持っていると思います。

【石村さん】余市には、現在16くらいのワイナリーがあるとか。

【平川さん】余市はワインのブランド化も産地形成も盛んです。例えば、山の中にポツンと畑があっても、自然の力の方が強いので、ブドウ樹を育てることができても動物や鳥、昆虫たちに食べられてしまいます。だから周りに農業経営体があり、農業が継続していることが大事なんです。さまざまな獣害リスクがあっても、他に農業の場があることで分散される。それが“産地力”なんです。

産地はそう簡単にできるものではないので、余市は果樹をつくってきた先輩たちの努力が、今の私たちの品質に結びついています。ワイナリー以上に、畑をしっかり維持していく人たち、原料をしっかり作っている人が大事。うちは、この土に味わいがあります。

【石村さん】コーヒー農園のファーマーさんがおっしゃっていたことと同じですね。何よりも土が大事で、そこにあるものをいかに引き出すかが、おいしいコーヒーをつくること、そして代々つなげていくことにつながっていくとおっしゃっていました。

【平川さん】全く同じですね。嗜好品になればなるほど、より農業の特徴が農産物的な価値になります。土、光、水…そこがワインの源になっています。それはコーヒー豆でもブドウでも同じで、その土地に適してできています。すべてが調和して品質に結びついていく。そういうもろもろがお客様の喜びにつながっていくものなので、私たちは喜びと共に働いていると言えますね。

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「借りるカップ」どう広げる?店長が考えるリユースの未来