春の訪れを告げるSAKURAシリーズに込めたストーリー



例年、バレンタインシーズンの終了ともにスタートするスターバックスのSAKURAシリーズ。これまで20回以上もの春を彩ってきましたが、始まりはたったひとつのタンブラーでした。そこからスターバックスの春の風物詩にまで広がったシリーズのヒストリーと、開発担当者の想いをお届けします。

日本のお客様に寄り添った初めてのデザイン

SAKURAシーズンは、タンブラーやマグカップなどのグッズから、ドリンク、フード、最近ではARを使用した体験まで、数々のラインナップで春をお届けしています。今回、お話を伺ったのは、マーチャンダイジング商品開発チームの小野さんです。「長く続けてこられたのは、日本の方々にとっての桜が特別な存在であり、お客様にこのシリーズを一緒に育てていただいたからだと感じています」とその想いを語ります。

小野さんが、2002年に登場したSAKURAシリーズ第1号のタンブラーを見せてくれました。それがこちらです。カラフルな背景に、白い花を咲かせる桜の木が描かれています。

「このデザインは、スターバックスの各国・地域の文化を象徴するという想いのもと、誕生しました。当時、米国発のスターバックスに“日本の桜”が登場したことが、お客様にもパートナー(従業員)にも新鮮に映ったと聞いています」

この商品が好評となり、以降、毎年SAKURAの商品を発売。2005年に登場した「夜桜」のように、テーマを設けて様々な桜を表現するようになりました。

そしてSAKURAシリーズ10年目。川面に垂れかかる枝垂桜をステンドグラスのイメージでデザインしたタンブラーは、グローバルでも採用されました。日本の桜が海を渡り、海外のお客様にも届けられたのです。

技術の進化とともにラインナップが充実

年を追うごとにデザインや形状も、ラインナップが増えました。ステンレスボトルが登場し、サイズ展開も豊富に。タンブラー以外にもマグカップやグラスなども登場しています。

そして、こんなユニークなアイテムも。2013年に初めて登場した「ステンレスクリエイトユアタンブラーさくら」は、ステンレスのボディに専用ペンでメッセージが書けるタンブラーです。別れと出会いの季節に、メッセージを添えて大切な人に贈ることができます。

「使える素材や技術の進化で機能性や形状だけでなく、エンボス加工で凹凸をつけて表現するなどデザインも幅が広がりました」と小野さん。2015年からは、第1弾・第2弾と2回に分けてシリーズを発表。デザインに心の内側も表現にするようになったそう。

こちらは2016年のシリーズから、左が第1弾、右が第2弾です。桜を見たときの気持ちをデザインに反映し、第1弾では心穏やかに落ち着く桜を、第2弾では元気でワクワクする桜を表現しています。

「桜の木や花びらといった美しい桜をわかりやすく描いていましたが、そこから、桜の表情や、桜を見たときのお客様の心情など、よりストーリーを意識したものになっています」

2023年の第2弾では、桜を色や質感だけで表現した商品も多く登場しています。シリーズでは初となるコールドカップタンブラーも加わりました。

こうして多彩なラインナップがあるのは、「お客様の心に寄り添い、より多くの方にSAKURAを楽しんでもらいたいという想いから」だと小野さんは語ります。

SAKURAシリーズは発売当日から、店舗に足を運んでお客様の反応を見たり、パートナーに聞いたりと、次シーズンの準備が始まります。それはお客様が求めるものを知りたいから。デザインをどう感じ取ってくださっているかを知り、次にどう生かすかを考えるためです

しかし、シリーズが長く続いているからこそ、難しい面もあるのでは?

「テーマで想い描いていることを、実際にデザインでどう表現するかというところがとても難しいです。新しい表現を待ってくださっている方もいれば、ベーシックなイメージのものを求めている方もいます。より多くの方に楽しんでいただけるようお客様に寄り添っていきたいです」

テーマは“今の日本”に寄り添いながら

こうした毎年のSAKURAシリーズのラインナップは、スターバックス全体のコンセプトと、商品シリーズのテーマに沿って生まれます。テーマは、社会情勢や環境にも配慮し、それを象徴するのが、2021年のコロナ禍に迎えたSAKURAシリーズです。

世間ではお花見を控えるなど、自粛ムードに包まれていた頃。そんな中でささやかでも春の訪れを楽しんでほしいという願いを込めて、 “it’s time to STEP FORWARD~新しい一歩を踏み出そう~”というテーマに。「閉塞感のある中で桜を楽しんでいただくにはどう表現したらいいか。第1弾は“SAKURA Breath”として淡いブルーも使用し、春空の下、一歩踏み出すイメージのデザインを。第2弾は“Sprig Bloom”として鮮やかな春の光に胸が高鳴るようにと桜以外の花も加えて、より華やかな春を描きました」

発売初日の店舗には開店前からお客様の姿が。待っていてくださる方がいることを実感し、感無量だったそう。

想いを込めてテーマやデザインを考え、より多くの人に届くようにラインナップされるSAKURAシリーズ。2月15日に発売になった今年の新作には、どのような想いが込められているのでしょう。

「第1弾は“SAKURA makes you cheeredがテーマです。コロナ禍が明け、久しぶりにみんなでつながる喜びを表現した、これまでにない大胆な描き方や鮮やかな色使いが特長的です」

スターバックスのSAKURAからたくさんの笑顔が生まれますように。

そんな想いが詰まっています。このタンブラーに素敵な桜の思い出が重なることを願っています。

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現代アートに出合う“共同アトリエ” のような京都BAL店