さまざまな挑戦を続ける多様な女性パートナー(従業員)たちの物語
3月8日は国際女性デー。女性の勇気や活躍を称えて国連が定めた記念日です。この日イタリアでは男性が日頃の感謝を込めて女性にミモザの花を贈ることから、「ミモザの日」としても世界に広がっています。スターバックスでは、ロゴに描かれている女神サイレンを象徴し、コーヒー産業に携わる先駆的な女性たちに敬意を込めてブレンドした「サイレンブレンド®」を通して、お客様とともに身近な女性たちに感謝を伝える日としています。スターバックスには、年齢や役割は関係なく、新しい挑戦をしながら生き生きと働く個性豊かな女性パートナーがたくさんいます。この国際女性デーにちなみ、日本にコーヒー豆が届いてからお客様が手にするまでの間のさまざまな業務に関わる4人の女性たちをご紹介します。
スターバックス リザーブ® ロースタリー 東京
フレックスパートナー 筒木さん
日本で唯一の焙煎工場併設店舗スターバックス リザーブ® ロースタリー 東京(以下、ロースタリー 東京)に、オープンスタッフとして参加した筒木さん。日本に到着した生豆を最初に受け取り、品質管理を任されているフレックスというポジションで働いています。
彼女の仕事は多岐に渡り、大切に管理した生豆をロースター(焙煎士)へ送った後も、ロースターのヘルプをしたり、バリスタとともにお客様対応をしたりと、コーヒーがお客様の手に渡るまでの一連の過程の中で、必要に応じてフレキシブルなサポートをしていきます。
「バリスタだった頃、焙煎前のコーヒー豆を見たことがないと気づいて。私が知る以前のコーヒー豆ってどういう形なのかな?どういう状態でどんな想いで生産者の方が育てているのかな? と興味が湧いたのがきっかけでした。
生豆には、焙煎した後にはわからないような色や形、香りの違いがあるんです。今ではその一つひとつがすごく可愛らしくて、生豆を愛しております(笑)。新しい豆が届いて、今日はどういう顔をしているのかな?と、袋を開ける瞬間がすごくワクワクします」
「生豆は我が子のよう」と微笑む筒木さん。キャリアのスタートは、長野県の店舗でした。入社した当初は、そこでバリスタとして経験を積んで、ストアマネージャー(店長)になるという道しかイメージしていませんでしたが、日本に1店舗しかないロースタリー 東京へ異動し、バリスタからフレックスへと転身。
「スターバックスは、性別や学歴は関係なく、いろんな夢を持ってチャレンジできる場所なので、私も今このポジションにいることができています。一緒に働いていた主婦の方に『今じゃないとチャレンジできないこともあるよ』と背中を押していただいたのも大きかったです。その方は今は家庭を優先にしているので今回はチャレンジできないけど、だからこそ頑張ってほしいと応援してくれました」
今後もいろんなことに挑戦し、他のパートナーに勇気を与える存在になりたいという筒木さんは、現在ロースターの修行中。フレックスからロースターまで全部できるパートナーは日本にまだいないと言います。
「第一号になれたらいいなと、思っています。コーヒーを極めて、どの工程も全部知って、いろんな人に広げていきたいんです」
スターバックス リザーブ® ロースタリー 東京
ロースター(焙煎士) 河内山さん
現在ロースターとして働く河内山さんの入社のきっかけは、海外の店舗で見たコーヒーセミナーだったと言います。
「バリスタになりたいというより、私もあんな風にコーヒーを語ってみたいなと思ったんです。コーヒーを勉強していく中で、日本で焙煎の機械があるなら、その景色を見てみたいと思ってロースターに応募しました」 入社から10年以上、バリスタとして勤務。子育てを優先して一度はロースターへの応募を見送ったけれど、子どもが少し大きくなったのを機に挑戦を決めました。ロースターになって今年で4年目。
周りのパートナーの助けや子どもたちが応援してくれているからここまで続けることができたと言います。
「過去には心が折れそうな時もありましたが、我慢せず、自分が好きなことを好きと言える自分でいて良かったなと思います。スターバックスではそれを言うことで、皆さんが私を知ってくれて次の環境に結びつけてくれるので、チャンスを増やすことができました。あとはイベントがある時に子どもの都合で参加できないと言ったら、じゃあ連れてくればいいよと言ってもらったり、家族と働くパートナーがポジティブに会社に携われる方法を皆さんが考えてくれてとても助かっています」
今後は焙煎の技術を次の世代に伝えていきたいと語ります。
「スターバックスのロースターってすごく歴史があるんです。アメリカで創業してから50年を超える焙煎のデータや経験、ノウハウがあって、その歴史の重みを感じながら、自分ならこの先50年、次の世代にどうやってこの焙煎技術を残して、伝えていけるだろうと日々考えています。
バリスタがもっと焙煎に詳しくなって、焙煎された豆を理解した上で抽出ができるバリスタの育成にも携われたらいいなと思っています。自分の成長と会社の成長、いずれにとってもたくさんゴールはあるなと毎日勉強させていただいていて、本当にドキドキとワクワクの連続です」
町田グランベリーパーク店
カフェアテンダント 山田さん
スターバックス最高齢のパートナー、現在80歳の山田さん。町田グランベリーパーク店のオープンを機に働き始めて今年で4年目となります。フロアの清掃やお客様のご案内などを行うカフェアテンダントとして、週2日働いています。 「つい先日、バックヤードで食器を洗いながら若いパートナーたちと会話していた時に、私もう80歳にもなるのに、こんな孫みたいな人たちの仲間に入って一緒に話できるなんて、ああ、幸せだな』と、ふと思ったんです。私はスターバックスを出るとシニアのコミュニティにどっぷり浸かっておりますが、この両方があって自分に刺激を与えてくれているなと感じます」
そんな山田さんがスターバックスで働くことになったのは、ストアマネージャーに声をかけられたのがきっかけ。認知症啓発イベントでボランティアをしていた時の明るい雰囲気や自発的な立ち振る舞い、きめ細かな気配りを評価されてのことでした。
就職1年目で結婚し退職、スターバックスで働くまでの約50年ずっと専業主婦だった山田さんは、アルバイトをするのも初めて。戸惑いながらも飛び込んだ場所で世界が広がりました。
「ここにお勤めして、まず若い方を見る目が変わりました。みんなとても素晴らしい人ばかりで、自分ができる仕事を探して先を見て働いているし、年齢関係なく言うべきことはちゃんと言ってくれる。今の若い人はしっかりしてます。人生の先輩という言葉がありますけど、私の方が若いパートナーさんからいろんなことを教えてもらって育てられています」
一期一会が人生の教訓という山田さん。これまでの経験がすべて今に活かされていると言います。
「何かのきっかけがあって巡り合った人やお仕事。その一人ひとりと誠実にお付き合いする、一つひとつの仕事を一生懸命する。趣味のことにしても、自分が今まで何も役に立たないかなと思ってやってきたことだって、真面目に取り組んでいると、いつかとても役に立つ時が来ると、79歳になって本当に思います」
夫の認知症をきっかけに、認知症の方を助けるボランティアを長年続けている山田さん。週に一度、認知症の友人を呼んで一緒にお茶をしていると言い、今後は店舗で認知症カフェを開催したり、もっとこの店舗が高齢者の居場所になれるようにしたいと語ります。 「お年寄りは家にこもりがちになりますけど、ここの店舗はとても広いし、余裕のある空間ですから、ここに来てゆっくりしてもらいたい。若い人だけじゃなくお年寄りにとっても自宅のリビングみたいなところになったらいいなというのが私の夢です」
目黒セントラルスクエア店
ストアマネージャー 及川さん
大学一年生の時、初めてのアルバイトとして入社してから、スターバックスでしか働いたことがないという及川さん。社員になり、念願のストアマネージャーを経験したのち、3人の子どもを出産。しばらく子育て優先で働き、約7年ぶりにストアマネージャーへと復帰しました。
「久しぶりに緑のエプロンをつけた時、血が通う感覚というか、『あ、私の居場所はここだな』と、すごく思いました。7年間、キャリアとしてはちょっと停滞したと思っていたけれど、実際に働いてみるとストアマネージャーの仕事は、子育ての中での学びにつながることが多くて、いま、母親としての経験がすごく活きています」
とはいえ、子どもを持つ前の自分と比べると時間的な貢献度が低くなってしまっていることに対し、申し訳なさを感じていたこともあったと言います。 「復帰したばかりの頃、夜の時間帯のお客様からの評価が少し低下してしまったことがあって。私が夜にあまり入れていないからだと思い、夜のシフトを増やすことをディストリクトマネージャー(地区担当マネージャー)に相談したんです。でもその時に『ママであり店長である立場としてみんなに道を示すとしたら、そのやり方は本当に正しいのかな?』と投げかけてくださって。
夜のシフトに入れなくても、工夫してその時間帯のお客様に応えられる新しい方法を生み出す。それが、私が店長をやる意味だと気づかせてもらい、ママでも、自分の時間を大事にしながらでも、お客様にしっかり応えていこうと考えられるようになりました」
スターバックスでは「ワーク・ライフ・ブレンド」という考え方を大切にしています。仕事とプライベートを分けて考えるのではなく、コーヒー豆をブレンドするようにうまく混じり合わせ、仕事も人生も豊かにしていくーー。及川さんは、母親であることとストアマネージャーであることをどうブレンドさせ、大切にしていくか、という課題と前向きに向き合いながら進んできました。
「私の場合は母親という役割ですが、年齢・性別問わず、どの人もパートナーである一面と、それ以外のいろんな役割がありますよね。みんな遠慮せずにそれぞれの大事な役割を伝え合って、お互いにサポートし合えて、それぞれのワーク・ライフ・ブレンドがしっかり満たされてこそ、お客様に幸せを届けられる。そんな風に協力して、皆さんと一緒により多くの方々の居場所を作っていけたらと思っています」