スターバックスが紡いできた2,000のストーリー。そして、新たなジャーニーへ

2月17日、2,000号店「スターバックス ティバーナ ストア 銀座マロニエ通り」オープンを機に、「メディアカンファレンス」を開催しました。
スターバックスには1週間に約660万人のお客様があり、それは全国6万人のパートナー(従業員)に支えられていますが、「そのすべての中心にあるのが、MISSION(企業理念)です。『1杯1杯を』、『一人ひとりのお客様を』、そして『一つひとつの地域を』を大切にする…それをみんなで目指し、お店に立つことが私たちの存在している意義です」と水口CEOは語ります。
今回は、これまでスターバックスが紡いできたストーリーを振り返りつつ、進化と深化を続ける新たなジャーニーについてお届けします。

一杯のコーヒーを大切に
お客様の生活に潤いと活力を届けたい。
その想いを胸に、日本上陸から29年、スターバックスは3つの軸に沿って歩みを進めてきたと水口CEOは語ります。
1つ目の軸は、「一杯の大切さ」です。
クオリティの高い一杯を生み出すのは、コーヒー豆の品質だけではありません。大切な一杯をお届けするために、ストアマネージャー(店長)、アシスタントストアマネージャー(副店長)、パートナーをきちんと育成し、お客様からのお声にも耳を傾けてサービスの改善につなげ、お客様の体験向上を継続的に取り組んできました。

「このすべてを支えているのが、パートナーのエンゲージメント。働く皆さんが、会社のやっていることにどれくらい共感してくれているかということだと思っています。昨年の調査の結果では、92%のパートナーの皆さんが会社とエンゲージメントを感じてくださっていると出ています。この数字は、とても大事なものです」(水口CEO)
例えばパートナーは4か月に1度、ストアマネージャーと定期的に面談し、振り返りや次の目標について語り合います。こうして成長することを繰り返し、一杯の大切さを守っているのです。
ひとりのお客様を大切に
2つ目の軸は、「ひとりのお客様を大切に」。
スターバックスにはサービスのマニュアルがありませんが、水口CEOはその理由をこう語ります。
「お客様一人ひとりがお求めになることは違います。同じお客様でも来る時間帯や、その日の気分によっても変わります。100人のお客様がいれば100通りの接客をするのが、本来目標とする姿だと思っています」

サービスのマニュアルはありませんが、パートナーには共通して大切にしていることがあります。それは、お客様の想いを察し、寄り添い、自分事としてお応えすること。それを通じて、お客様との温かなつながりが生まれることに、喜びを感じています。
ひとつの地域を大切に
3つ目の軸は、「ひとつの地域を大切に」。
「出店させていただいている地域に、私たちは何ができるのか。スターバックスがここにあって良かったと思っていただくには、どうしたらいいかを考えています」(水口CEO)
例えばリージョナル ランドマーク ストアは、地域のすばらしい場所や建造物に出店し、そのすばらしさを地域の方にお伝えしたいという想いが込められています。レギュラー店舗にも、地域の木材を使ったテーブル、その地域の子供たちと作ったアート…お店のある地域とつながりを感じる何かが、必ずそこにはあります。

また「一人ひとりのお客様とのストーリー、1店舗1店舗のストーリー、1999のストーリーが重なって、1999店舗ができていると思っています」と語る水口CEO。それぞれのお店に、地域とつながる物語があります。
深化を続け“選べる”スターバックス体験へ
一杯のコーヒー、ひとりのお客様、ひとつの地域を大切に。この3つを軸にしながら、「その想いをどう届けていくか、何を届けていくかについては、時代によって変化が必要」と水口CEOが語るように、29年間で出店場所やスターバックス体験を深化させ、様々なお店の形をお届けしています。
富山環水公園店から始まり現在約40店舗ある公園店、地域に根差すドライブスルー店、本を読みながらコーヒータイムをお楽しみいただけるブック&カフェ。深いコーヒー体験を届けるリザーブ® ストア、焙煎設備をもつスターバックス リザーブ® ロースタリー 東京、ティーに特化したスターバックス ティー & カフェ。環境負荷低減をした店舗づくりを行うグリーナーストア。

こうした様々なスターバックス体験があることで、気分やシーンに合わせて多彩なスターバックス体験を楽しんでいただけるようになりました。
地域社会と向き合う新たなジャーニーの始まり
2000号店までつむいできた2000通りのストーリーはとても大事なものであると同時に、ひとつの通過点でもあり、これからもストーリーは続いていきます。「その未来を見つめ、日本社会が抱える背景や課題にこれまで以上に向き合い、何ができるかを考えチャレンジしたいことが3つある」と語るのは、森井CRMOです。

1つは「地域に新たな循環と価値を生み出す」。
例えば、青森県のパートナーが結成した「りんご隊」。りんご生産者が抱える課題を自分事にとらえ、青森県産のりんごを知ってもらう活動をしています。その情熱が広がり、スターバックスでは毎秋、全国の店舗で販売するアップルパイに青森県産のりんごを使用して発売するようになりました。今では、地元のりんごを使用したアップルパイに関心を持ったお客様で、地元店舗には行列ができるまでになっています。「こうしたパートナーの情熱を通じてできること、可能性があるのではないか。パートナーと地域の方々とのつながりをさらに深め、地域社会とスターバックスがともに未来を作っていきたい」と森井CRMO。
2つ目は、「店舗の出店の幅を深化」。
地域の企業とつながり、地域社会と共生する店づくりを目指しています。現在、宮崎県都城市では霧島酒造とのコラボレーション施設の計画を進め、地域や自然環境にできることは何かをテーマに2026年春のオープンを目指しています。また、幅広いお客様の居場所となるファミリーフレンドリーストアの出店も広げていきます。
3つ目は「コーヒーを極め、深める」。
店舗でより深いコーヒー体験をお客様にお届けするには、パートナー自身がコーヒー体験を深めることが大切です。アルバイトを含む年間50~100人のパートナーに、スマトラやコスタリカなどコーヒー生産地へのトリップを計画しています。
新たなお店1店舗1店舗が、パートナー、お客様、地域がつながった新しいストーリーの始まりです。2,000の先に生まれる、一つひとつのストーリーを、これからも大切に紡いでいきます。