オンラインストアに初めてケーキが登場。その秘密とは?


コーヒー豆かすたい肥で育ったニンジンをキャロットケーキに

しっとりと心地よい食感のケーキをひと口頬張ると、スパイスの豊かな風味といっしょにニンジンのやさしい甘みが広がるーー6月23日、スターバックスのオンラインストアに「キャロットケーキ」が登場しました。

しっかりとコクのあるコーヒーと相性の良いこのケーキ。じつはコーヒー豆かすが一役買ったニンジンが使われています。

関西のスターバックス店舗でお客様にコーヒーを提供した後に残るコーヒー豆かすを、兵庫県の協力会社でたい肥に。それを北海道の農家が畑にまいて、ニンジンを育てます。そのニンジンを生地に練り込み、ドライフルーツやナッツ、スパイスなどを合わせて作ったのが、この「キャロットケーキ」です。

北海道芽室町のニンジン農家 山上美樹彦さんがコーヒー豆かすたい肥を使って育てたニンジン

サステナブルは「おいしい」の先にある

「コーヒー豆かすリサイクルループの野菜を活かす、という発想から始める商品開発には、難しい面もありました」と振り返るのは、フード商品開発チームの東 由紀(ひがし ゆき)さんです。

「開発段階で気をつけたことは、おいしさを置き去りにしないことや、リサイクルループの野菜を使っていることを前面に出し過ぎないことです。ニンジンの甘味や風味を活かし、また食べたいと思っていただける商品を目指しました。そうでなければ、サステナブルとは言えないと思うんです」と東さんは語ります。

ループ野菜で、お客様の気持ちを満たすスイーツを

コーヒー豆かすたい肥を利用して育てられている作物は、レタスやニンジンなど野菜がほとんどです。普段からサンドイッチの具材として使用されていますが、生産地から近い一部の店舗に限られます。今回はリサイクルループの野菜をもっと多くのお客様に届けたいという想いがありました。


商品開発が始まったのは、昨年2020年の夏頃。外出しにくい状況の中、東さんはおうち時間を楽しめる商品を提案したいと考えていました。「ループ野菜でお客様の気持ちを満たすスイーツを作ろう」。そこで思い至ったのが「キャロットケーキ」でした。

6月23日よりオンラインストア限定販売の『キャロットケーキ』 ホールタイプ 12.5センチ パウンド型 ¥3,240 ※表示価格は税込の総額表示となります。※なくなり次第終了

東さんはこのケーキについて、「ニンジンという野菜を使うからこそ、スイーツとしての満足感にこだわりました。ニンジンの甘みとうまみをベースに、スパイスやナッツを加えて豊かで奥行きのある味わいに仕上げています」とそのこだわりを振り返ります。

オンラインストアでわざわざ購入していただく商品だからこそ、ご自宅でケーキを楽しむお客様の様子を想像し、「わ〜! と歓声があがるような、ごほうび感のあるケーキを目指しました」(東さん)

フードで目指すサステナブルのキーワードは「ヘルシー」

東さんに、これから目指すサステナブルな商品開発のあり方を聞いてみました。

「自分の仕事から、持続可能な未来のために何ができるのか考え、組み込んでいくことが大切だと思っています。例えば、長くおいしく食べられる商品を考えてフードロスを減らしたり、プラスチックを使った包装を減らせないか検討したり。できることはたくさんあります」

また東さんは、これからの商品開発に必要な視点として心や体にちょっとやさしいという意味を込め「ヘルシー」というキーワードを挙げました。

スターバックスは、この春から、大豆を使いながらもお肉のような満足感のあるソイハンバーグのフォカッチャサンドイッチを販売しています。こうした野菜や果物を存分に楽しめる商品を、今後もお届けしていく予定です。

「体に良いものって、だれもが賛同できるものですよね。ヘルシーなフードであれば、お客様が自然と選んでくださり、持続性の高い商品になるのではないかと思います。

体だけでなく、環境に配慮されたものを選ぶと心地良い、そんな心のヘルシーさもありますよね。心がヘルシーであることは、選択基準として、今後重視される価値観になっていくのではないでしょうか」

「キャロットケーキ」を送り出した東さんの視線は、サステナブルが当たり前になった未来を見据えています。おいしさもサステナブルも。スターバックスの届けるフードメニューの今後に、ぜひご期待ください。