コーヒーと焼酎、2つの自然の恵みが育むみらいのカタチ
スターバックスと霧島酒造のコラボレーションプロジェクトから、1月27日(火)に新施設「KIRISHIMA GREENSHIP icoia(以下、icoia)」が誕生します。二社の地域や環境への想いを体現した“みんなのいこいの場”として、ここから様々な活動を展開していきます。オープンに先駆けて開始している、たい肥クラブやワークショップの活動、そして担当者のicoiaへの想いを紹介します。
自然と環境が息づく、新しい憩いの拠点icoia

宮崎県都城市は市の約6割を森林が占める、自然豊かな土地。市内東部にある霧島酒造の本社・工場に寄り添うように、新しい“いこいの場所”が生まれます。その名はKIRISHIMA GREENSHIP icoia。植物園や屋上庭園、芝生広場を備え、敷地内にはスターバックスと、霧島酒造が提案する“暮らしをアップデートしてくれるアイテム”が集まる直営店「KIRISHIMA LIFE STORE ipomea」を併設。自然との共生を体感でき、だれもが気軽に立ち寄れる場所です。
霧島酒造は創業から100年以上、地域と自然に寄り添う焼酎造りを続けています。焼酎粕や芋くずから精製したバイオガスをサツマイモ発電として電力エネルギーに変え、さらに、植林活動を通して都城市の森を未来へつなぐ、循環を大切にしてきた企業です。
その姿勢は、コーヒーかすをたい肥として活用したり、群馬県みなかみ町や大阪府河内長野市で森を守る活動に連携するスターバックスの想いとも重なります。
焼酎とコーヒー。
異なる文化でありながら、どちらも自然の恵みから生まれたもの。この2つの企業が力を合わせ、未来へ向けて共に歩むプロジェクトです。
二社と地域をつなぐ、たい肥クラブ

2025年12月のある日、建設工事が進められているicoiaの芝生エリア「いこいの庭」に、おそろいのTシャツを着た「たい肥クラブ」のメンバーが集まりました。たい肥クラブが始動したのは、2024年のこと。イオンモール都城駅前店のパートナー(従業員)、霧島酒造の従業員に加え、南九州大学環境園芸学科の前田教授と学生たちが参加し、コーヒーかすと焼酎粕を活用したたい肥づくりの実験として地域の資源循環につなげる活動として発足しました。その活動は主に、スターバックスのコーヒーかすと霧島酒造の焼酎かす、米ぬか、敷地から出る竹チップや落ち葉を混ぜ、コンテナで完成まで半年ほど熟成します。その間も定期的に集まって、発酵を促すため、たい肥を混ぜたり加水するなど、たい肥の管理をしています。
この日は、パートナー、霧島酒造のスタッフ、大学生約20人のほか、都城の森づくりを都城市とともに推進している森林保全団体・more treesの皆さんも集まりました。


どんぐりの育苗に向けた準備として、完成したたい肥を混ぜ込んだ土に都城の森で採取したドングリを植えたり、翌日に控えたワークショップ準備も。作業中は冗談が飛び交い、笑顔が絶えません。活動後のコーヒーブレイクも、メンバーにとって大切なひと時になっているようでした。

翌日、都城市の道の駅NiQLLで小学生を対象にした「森の集い場 ワークショップ」を開催しました。このワークショップは、スターバックスと霧島酒造が立ち上げたたい肥クラブと、都城市、more treesの4者が協働して生まれた、市内の森づくりを推進する「みやこんじょ資源循環森林プロジェクト(通称ODEN)」の取り組みのひとつです。ODENは、Organic Diversion Enriches Natureの頭文字をとっています。「資源循環は自然を豊かにする」という想いのもと、都城で親しまれている都城おでんのように、この活動が地域の誇りとなる活動に成長するようにという想いが込められています。
icoiaの客席家具をつくる時に出た端材などを活用した小さなツリーやスツールづくり、宮崎県産のつみきで森とまちの未来地図づくり、キッズバリスタ体験など、木とコーヒーの香りに包まれながら、森とつながるワークショップを子どもたちは楽しんでくれました。


more treesの遠藤さんは、子どもだけでなく親御さんも森への関心が高いと感じ、「木の名前をひとつでも覚えて帰ってもらえたら、森への関心が広がる第一歩になる」と話してくれました。都城市職員の山下さんは、子どもたちの姿から木育の大切さを実感し、「4者がそれぞれの強みを持ち寄ることで森づくりが加速する。これからも盛り上げていきたい」と期待を寄せました。
たい肥クラブが作ったたい肥は、スターバックスや霧島酒造の空きパックをポットにして、都城の森で拾ったドングリを植えて持ち帰ってもらいました。たくさんのドングリの中から、「どれにしようかな」と迷いながら、自分のポットに植える3つを選ぶ子供たち。自宅でも地域の森や自然にそっと思いをはせる時間があることを願っています。

互いの強みを生かして。icoiaへの想い
ワークショップ後、KIRISHIMA GREENSHIP icoiaのプロジェクト をリードしている霧島酒造の井手さんと後藤さん、スターバックスの店舗デザインから地域活動をプランするストアデザインコンセプト部の中川さん、都城 KIRISHIMA GREENSHIP icoia店のアシスタント ストアマネージャー(副店長)の長濵さんに、地域活動を通じて育んできたicoiaへの想いを伺いました。

霧島酒造とスターバックスがicoiaの構想について、初めて対話したのは2022年のこと。当時は「大手カフェチェーン」と「大規模な酒造メーカー」という認識で、お互いを深くは知らなかったそうです。
後藤さん:プロジェクト開始後の最初の対面ワークショップ でお互いの会社の好きなところを出し合った時に、コーヒーかすのリサイクルのことを知り、霧島酒造も焼酎かすのリサイクル活動に取り組んでいるところだったので、共通点があると印象が変わりました。
長濵さん:サツマイモをエネルギーとして最後まで余すことなく使うのは、すごく魅力的に感じています。廃棄していたものを活用するため、電力というアイデアが出るってすごく素敵です。
中川さん:コーヒーと焼酎づくりで出るものを有効な新たな資源として循環する取り組みは、二社の共通点ですよね。
後藤さん:二社で話していくなかで、まず都城の未来に「自分の時間を過ごすことができる憩いの場所がほしい」という意見が出たんですよね。そこでスターバックスのサードプレイスの考え方を聞き、さらに「その場所に霧島酒造の取り組みも体感できるような仕組みがあればいいな」という発想が、コラボレーションが始まる最初のきっかけでした。子育て世代では「一人になれるのは通勤の車の中だけ」という声が多かったんですよね。そこから話が広がり、icoiaの構想が見えてきました。
中川さん:「焼酎粕は宝だ」という言葉も印象的でしたね。私たちスターバックスもコーヒー豆を大切にしているので、似ている部分があるんだなって。
井手さん:みなさんと霧島酒造の工場見学もしましたよね。その時にサツマイモの繊維が廃棄物としてたくさん出てしまうという話をしたら、スターバックスが「icoiaの建物の一部に使おう」って。その発想力には、驚きました。自分たちだけでは思いつかなかったです。
中川さん:スターバックスは、ストーリーを形にすることを店づくりでも大事にしてきたので、その経験があります。逆に驚いたのは、霧島酒造のスケール。サツマイモ発電もリサイクルも全部自社でやられているなんて…「焼酎メーカーがプラントを作るんだ、すごい!!」と。
井手さん:うちは、「やるならとことんやりなさい」って会社です(笑)。
中川さん:すごいスケールです(笑)。でも、やり方が違う部分はあっても、目指しているものは同じですよね。
後藤さん:目指すものが同じだからこそ、何度も対話を重ねて、地域社会や環境へのお互いのアプローチの方法を理解することができました。今日のワークショップで子どもたちが喜ぶ姿に、つながりの始まりを感じました。こういうハートフルなコミュニケーションは、とても勉強になりました。
長濵さん:私たちパートナーにとってもすごく貴重な経験です。地域の方とかかわりを積み重ねることは、人としても成長につながります。
そんな大きな仕組みと小さな体験が、同じ場所で息づくicoia。二社が手を取り合うからこそ目指す未来とはどんなカタチでしょう。
井手さん:焼酎づくりで発生した温熱を有効利用した植物園、サツマイモ発電のエネルギーによるEV充電スタンドなど、資源循環をしっかり体感できる場所にしていきたいです。
後藤さん:icoiaには霧島酒造直営店とスターバックスがあり、両者のスタッフがいっしょに働くことになります。だからこそ、お互いの会社の想い、施設への想いを共有する機会を両社でどんどん作り、その想いをパートナーの方々と一緒にお客様に届けていきたいです。
中川さん:私はお店にはいませんが、たい肥クラブなどの活動にお客様にも参加していただいて、育てた苗が森に戻る姿を見たいですね。1年後、2年後が楽しみです。
長濵さん:実は、たい肥クラブの活動を通してスターバックスで働きたいと言って、パートナーとしてお迎えした南九州大学の学生さんがいるんです。
一同:ええっ!!
長濵さん:地域とのつながりが形になってきていて、うれしいです。icoiaが、“ひとりの百歩ではなく百人の一歩”が地球のためになることを感じていただける場所になればと思っています。
井手さん:建築もマテリアルもストーリーが詰まっていて、ロケーションも最高。これまで都城にはなかった施設ですし…スタバと霧島、最強ですね(笑)。
KIRISHIMA GREENSHIP icoiaのオープンまであと5日。ここからどんな物語が始まり、どんな未来を描いていけるのか――期待を胸に、地域の方々と共に一歩一歩進んでいきます。
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