「最高の体験」をチームでつくる。スターバックス日本代表「結び」の挑戦
一杯のコーヒーを通じて、お客様にどのような体験や価値をお届けできるだろう?
スターバックスのパートナーは、ドリンクの味や品質はもちろん、お客様とのコミュニケーションやコーヒーの知識、パートナー同士のチームワークを大切にしながら、日々、そんな問いに向き合っています。
こうしたスターバックスの精神を体現する競技会が2026年10月、フィリピンの首都マニラで開催されました。
アジア太平洋地域を代表するパートナーたちが集い、「最高のスターバックス体験」を追求するチーム競技「Ultimate Barista Team Challenge(UBTC)」です。
UBTCは「最高の体験」をチームでつくる大会
今回が初開催となったUBTCには日本、香港・マカオ、インドネシア、フィリピン、シンガポール、台湾、タイの各市場を代表する7チーム、21人のパートナーが出場しました。

競技は3人1組のチームで行われます。接客を担う「レジ」、ドリンクを作る「バー」、その作業を支え、ドリンクを完成させる「バーサポート」に分かれ、ドリンクの注文を受けて提供するまでの一連の流れを審査員の前で行います。

制限時間は10分。お客様役を兼ねた審査員はレジの担当者に英語で次々と注文し、カスタマイズやラテアートのリクエストも行います。チームは連携しながら、注文内容に沿った13杯のドリンクを制限時間内に完成させることを目指します。

さらに、審査員からはコーヒーに関する質問も投げかけられます。コーヒーの知識はもちろん、その魅力や背景にあるストーリーをどのように伝えるかも評価の対象となります。

ドリンクの味や品質、提供までの早さだけでなく、お客様とのコミュニケーションやチームワークなどが問われるこの大会は、店舗で日々パートナーが大切にしている「スターバックス体験」を体現する場と言えます。
日本代表チーム「MUSUBI(結び)」の挑戦
日本からは、矢田、金谷、赤羽の3人がチームとなって出場しました。地域のお客様に愛される国内店舗を表彰する「カスタマー サービス アワード」の受賞店舗でストアマネージャー(店長)を務めた実績や、社内選考を経て選ばれたメンバーです。

普段はそれぞれ異なる店舗のストアマネージャーとして活躍する3人。初めて集まったのは、大会を4カ月後に控えた2026年6月でした。
「自分たちは何のためにこの大会に挑むのか」「スターバックスや自分が大切にしているものは何か」そんな対話から始め、少しずつチームが目指す方向を明確にしていきました。
そのなかで見えてきたのは、一杯のコーヒーを通じて「人と人とのつながり」や「心が動く瞬間」を生み出したいという想いでした。それは、「MUSUBI(結び)」というチーム名にも込められています。
いざ練習を始めると、それぞれが目の前の作業で精一杯になり、動きがかみ合わなかったり、周囲が見えなくなったりすることも。しかし、そのたびに、「人と人とのつながり」「心が動く瞬間」というチームが届けたい価値を確かめ合いました。
気持ちをひとつに、3人で挑んだ10分間
そして迎えた本番。パートナーたちが観客席から見守るなか、3人はステージに立ちました。

競技開始を前に、3人は互いの手を握ります。「おはようございます!今日も一緒に頑張りましょう。よろしくお願いします」。会場に響く大きな声でした。普段お店で行っている朝礼と同じように仲間と気持ちをひとつにし、自分たちらしい競技をしようと考えたのです。

レジを担当した赤羽は、次々と入る注文に笑顔で対応し、お客様役の審査員とのコミュニケーションを大切にしました。
お客様に心地よい時間を提供する。そんな普段の店舗での姿勢を、ステージの上でも示しました。

バーを担当した金谷が特に意識したのは、スチームミルクの品質とレシピの正確さです。
バーサポートとして次の工程を担当する矢田に、いかに良い状態でドリンクを渡せるか。矢田も、金谷が仕上げたミルクの美しさに驚いたと言います。

「競技中は、練習の時以上に互いの姿がよく目に入りました」と矢田は振り返ります。
「2人が懸命に取り組む姿を見ると、自然と自分にも力が湧いてきました」
お客様に最高の体験を届けたいという思いが、3人をひとつにしていました。

競技中は、予想外の出来事も。備品の配置が練習時とは異なるなど、とっさの判断が求められる場面がありました。しかし、3人はその都度コミュニケーションを取りながら柔軟に対応しました。想定外への対応力もまた、日々の店舗運営で磨いてきたスキルです。

シグネチャービバレッジに込めた想い
競技中に注文されるドリンクには、チームオリジナルのシグネチャービバレッジも含まれます。
日本代表の3人が、チームの個性や想いを伝える一杯として考案したのは、「ふわっときらっとエアロカーノ」です。
エアロカーノとは、エスプレッソに氷を加えてスチームすることで、ムースのようなきめ細かい泡を生み出した、軽やかな口当たりのアメリカーノです。ゆず果皮などの柑橘をミックスしたシトラス果肉で爽やかさを演出し、アクセントに山椒をふりかけました。
エスプレッソに使用したコーヒーは、アジア太平洋地域の4つの島の豆をブレンドした「セジャティ ブレンド」。異なる土地で育まれたコーヒー豆が一つの味わいを生み出すように、日本各地の店舗から集まった3人も、それぞれの経験や強みを持ち寄り、一つのチームとなりました。そんな自分たちの姿を、このブレンドに重ね合わせました。
さらに、生産者をはじめ、加工や焙煎、輸送、店舗で働くパートナーなど、たくさんの人の想いや仕事がつながることで一杯のコーヒーが生まれる。そのつながりへの感謝を表現したいと考えました。
競技の先にあったもの
7つの市場から集まった代表チームが、それぞれのアプローチで競技に挑んだUBTC。日本代表チームは惜しくも優勝には届きませんでしたが、この挑戦は結果以上に価値のある経験となりました。

大会を通じて、自分が本当に好きなのは人の心を動かすことだと実感したという金谷。「その思いが、これまでの仕事の原動力になっていたことに気付きました」と振り返ります。
赤羽が改めて感じたのは、チームの力でした。
「一人ひとり異なる強みや魅力がある。お互いを認め合い、生かし合うことで、チームとしての力を発揮できる。この学びを店舗のパートナーたちに伝えていきます」
ほかの市場から参加したパートナーたちの姿も大きな刺激になりました。場所や言葉が違っても、最高のスターバックス体験を届けようとしていることは同じ。矢田は、遠く離れた場所にも同じ想いを持つ仲間がいることに勇気をもらったと話します。
「色々な人と出会い、話をするなかで、自分の視野が広がっていきました。ここで経験したことや感じたことを、自分が働くお店や地域で生かしていきたいです」

マニラで得た経験や学びは、それぞれの店舗へと持ち帰られます。そして、それは一杯のコーヒーを通じて、お客様やパートナーへと広がっていきます。
