年を重ねても輝ける居場所であるために、多様な人が活躍できる社会を目指して


9月21日は、国際アルツハイマーデー(※)、そして「敬老の日」。スターバックスの店舗で行われている「認知症カフェ」の取り組み、いきいきと店舗で活躍するシニア世代のパートナー(従業員)にスポットを当てた、ストーリーを紹介します。

※「国際アルツハイマー病協会」(ADI)は、世界保健機関(WHO)と共同で毎年9月21日を「世界アルツハイマーデー」と制定し、この日を中心に認知症の啓蒙を実施しています。

認知症の話をお店で。誰かとつながり、語り合い、自分らしくいられることの大切さ

スターバックスと認知症。一見結びつかないようにも思いますが、コミュニティコネクションという地域とのつながりを生み出す活動のひとつとして、全国各地の店舗で「認知症カフェ」という取り組みを実施しています。認知症カフェは、認知症の当事者やその家族たちが、地域の人や専門家と交流、情報を交換する場のことです。スターバックスでは、語り合えるスペースの提供とコーヒーを通じてリラックスできるひと時を届けています。

なかでも、町田市では2016年の初開催を皮切りに、その広がりは市内全9店舗へと波及。市が主催で月に1度“Dカフェ”を開催してきた歴史があります。(※現在はコロナの影響で休止中) 。市によると、頭文字につく、「D」は「認知症=Dementia」からとったそうです。

「認知症と聞いても難しく考えないようにしています。ただいつも通りコーヒーをお出しして、一緒に楽しむだけです」。スターバックス コーヒー 町田金森店の林ストアマネージャー(以下、林SM)は言います。認知症カフェでは、参加者たちの柔らかで、穏やかな笑顔があふれます。楽しそうに話す姿に、そばに座っていた学生さんが「自分の父親も認知症で…」と飛び入り参加することもあったそう。「スターバックスでやるからこそ、年配だけでなく若い人にも知ってもらえる。カフェという開かれた場所で行うことで、みんなで支えあえる環境を生み出したい。何よりもリラックスして自分のことを話せる環境が大切なんだと実感しています」(林SM)。

最高齢のパートナーが紡ぐ、店舗の輪。町田にある、誰もが輝ける居場所

2019年11月。そんな町田市に、多様な世代が活躍できる居場所として、また、インクルージョン&ダイバーシティを象徴する『スターバックス コーヒー 南町田グランベリーパーク店』がオープンしました。

シニアの方も座りやすい椅子や車いすやベビーカーでも通りやすいように広く設計された店舗は、幅広い世代の方に愛され、今日に至ります。この店舗には、「かっちゃん」こと、スターバックスで働く最高齢パートナー、77歳の山田勝子さんがいます。「私にとってストアマネージャーは息子と同世代、他の皆さんも孫と同じです。一番の新人が、一番年上って面白いですよね」と笑顔がはじけます。仕事を通じて店舗に貢献することはもちろん、自分がここで働くことで与えられる影響、ここにいる理由や意義があると感じています。経験や勘、気遣いや苦労・・・77年間の蓄積を周囲に還元していくことです。「今まで歩んできた人生経験で、何か若い世代に伝えることができるんじゃないかって。積極的にみんなと話すようにしています」

スターバックスは、インクルージョン&ダイバーシティのメッセージとしてNO FILTERを掲げ、「先入観や思い込み、偏見を持たず、人種、年齢、性別、役割や雇用形態、障がいの有無、個人の価値観などの違いを超えてすべての人を温かく迎え入れ、認め合い、そして一人ひとりが自分らしくいられる社会」の実現を目指しています。

アルバイトにも年齢制限はなく、さまざまな世代のパートナーが活躍できる環境があります。「最初にアルバイトのお話をいただいたときは冗談だと思った」とはにかむ、山田さん。店舗ではやはり、若い世代が働くイメージが強く、自分自身が店舗に立つイメージが付かなかったからです。それでも、77歳の自分だからこそできることを考え、同世代のお客様に寄り添うこと、そして、共に働くパートナーの背中を押す、そんな存在を目指すようになっていきました。

店舗には、大学生パートナーも多く、進路や働くことで相談されることもしばしば。「今の経験が必ず役に立つから、どんなことでも頑張ろうね。チャンスはどこにあるか分からないから。私のようにね!」。自分自身が肌で感じた思いを伝え、周囲を明るく照らします。

いきいきと自分らしくいられる居場所は、人と人とのつながりから生まれます。「誰もが自分の居場所と感じられる」。スターバックスが、創業当時から私たちのミッション(企業理念)の一つとして、大切にしてきたことです。パートナーも、お客様も関係なく、一人ひとりが自分らしく生きられる居場所、そして、年齢やキャリア、ポジションに関係なく自分の能力を最大限に生かし、持続的に活躍できる社会をつくること。人とのつながりが分断される現代にあって、店舗を通して生み出されるつながりは薄れることなく、もっともっと強いものになっていくと信じています。一人ひとりの個性や価値観が尊重され、自分らしく生きられる社会にー。私たちの目指す明るい未来のために、これからも確実に歩みを進めていきます。

小柄な「かっちゃん」ですが、77年間の実績や経験から、その背中は心なしか大きく見える気がします。一人ひとりの個性が輝き、互いに認め合うことで、周囲に少しずつポジティブな影響を与えていきます。町田市の店舗だけでなく、スターバックスの店舗では日々、こうしたストーリーが生まれています。

thumbnail for 熊本県益城町で5年ぶりの笑顔の再会。地域をつなぐ、くまいるカフェ

熊本県益城町で5年ぶりの笑顔の再会。地域をつなぐ、くまいるカフェ