コロナ禍に、できることを。地域発・コーヒードネーションの輪
新型コロナウイルス感染症にゆれる中、コーヒーの力を信じて
2020年、世界中で猛威をふるい、今なお続く新型コロナウイルス感染症の拡大。人々の行動が大幅に制限され、首都圏を中心に多くの飲食店が休業や時短営業を余儀なくされました。
スターバックスも、2020年4月には全体の8割、約1,200店舗で臨時休業しました。
このような状況下、全国のパートナー(従業員)たちから寄せられたのは「こんな時だからこそ、スターバックスにできることがあるのでは」という声。
「新型コロナウイルスの収束に向けて地域で尽力されるみなさまに、スターバックスのコーヒーやフードとともに感謝の思いを伝えられたら」――パートナーからのこうした声をきっかけに、同年4月3日から、スターバックスは「コーヒードネーション(寄付)」を開始。その取り組みは各地に広がっていきました。
最前線で闘う方々に、心やすらぐひとときを
まずはトライアルとして大阪府内の医療機関へドネーションを実施。次に、当時緊急事態宣言が発令されていた地域を中心に13都府県、そして全国へと実施範囲を広げていきました。
サポートセンター(本社)にてこの取り組みを担当した広報部の佐藤 瞳さんは、当時の状況をこう話します。
「当時は感染の拡大が続き、対処方法も見えないという、今よりももっと混沌とした状況でした。パートナーの安全を守りながらドネーションを実施するにはどうすればよいか。当初は各地域の様子を踏まえ、私たちサポートセンターからドネーションセットを発送していました」
こうした活動に対するパートナーからの反応は、予想以上に大きなものでした。
最初のドネーションでは、急な呼びかけにも関わらず、店舗休業中のパートナー約800人からメッセージと写真が集まりました。簡単に作れるスティックタイプのコーヒー「スターバックス ヴィア®️」やクッキー等のフードとともに、医療機関にお届けしました。自分の店舗でも実施したいとの声も届きました。
「多くのパートナーが、自分たちの地域を支えてくださっている方々にできることを探していたと感じました。店舗パートナーが主体となって、自分たちの思いを形にできる、より地域に根差したドネーションのためのスキーム整備を急ぎました」(佐藤さん)
ほどなく、各店が地域の状況に応じて寄付先を選定し実施する枠組みを整備。小さなクリニックや感染者を受け入れるホテルなど、寄付先が広がりました。
パートナーの「地域の役に立ちたい」想いをドネーションに込めて
神奈川県相模原市にあるアリオ橋本店も、コーヒードネーションを行った店舗のひとつ。
ストアマネージャー(店長)の小池さんは、「お客様と距離を保たなければいけない今だからこそ、ドネーションで地域に貢献できたことに喜びと誇りを感じます」と、取り組みへの手応えを話します。
スターバックスではもともと、各店舗が主体となって、地域のお客様に合わせ催しや活動を行う「コミュニティ コネクション」と呼ばれる活動を行っています。
アリオ橋本店でも、コロナ前はお子様をお持ちのお母様のコミュニティづくりのための「ママカフェ」や、耳の不自由な方のための「手話カフェ」などを実施していました。しかし新型コロナウイルス感染拡大防止のため、コミュニティ コネクションも2020年3月から中止が続いています。
お客様との距離感にもどかしさを感じていたという小池さん。コーヒードネーションによって、地域とのつながりや自らの役割を改めて実感できたと言います。
「店舗で同封するメッセージの寄せ書きが、ほぼ全員から集まったんです。お届けした病院が、そのメッセージを院内の食堂に貼ってくださったとの報告をいただき、改めて胸が熱くなりました」
一杯のコーヒーから生まれる、豊かな時間の提供を、これからも
私たちスターバックスは、「Our Mission & Values」として、「地域社会や環境保護に積極的に貢献する」という指針を持っています。今回の店舗主導でのドネーションは、この指針に沿って活動を積み重ねてきた、その延長線上にあるといえます。それぞれがオーナーシップをもって自ら考え、画一的でない体験を提供することが、なによりのスターバックスらしさです。
今もなお、新型コロナウイルスの治療や、地域を支える活動に奔走する皆様の取り組みは続いています。
2020年4月から開始したコーヒードネーション。緊急事態宣言発令に伴って回数を重ね、2021年6月末現在で、全国47都道府県、のべ188施設に28,000杯以上のコーヒーをお届けしました。
ひと時の癒しを提供し、困難な中でも誰かをほんの一瞬笑顔にさせる、コーヒーの力を信じて。
スターバックスは引き続き、かけがえのない日常を支えてくださっている皆様を、コーヒーの力で応援していきます。