受け入れ合う社会へ。スターバックスから広がるNO FILTER


誰もが自分らしく生きられる世の中へ。お客様と広げる「NO FILTER」の輪

「NO FILTER」――スターバックスが掲げるインクルージョン&ダイバーシティのメッセージです。先入観や思い込み、偏見といったフィルターを持たず、すべての人を温かく迎え入れ、認め合い、一人ひとりが自分らしくいられることへの思いを込めています。

スターバックスは、2018年から毎年、このNO FILTERをテーマにしたアイテムを企画してきました。販売するのは日本でLGBTQ+サポートの気運が高まるゴールデンウィークの時期。レインボーカラーのタンブラーやカップなど、お客様が日常的に使えるアイテムで、毎年好評の声をいただいています。

レインボーカラーを表示したり身に着けたりすることは、アライ(LGBTQ+を理解し支援する人)にとっては理解や応援の意思表示です。そして、それを目にしたLGBTQ+当事者には、“この人には話ができる、自分を理解してもらえる”という安心感をもたらします。 お客様と一緒にLGBTQ+コミュニティ応援の輪を広げていきたい。そんな思いから、スターバックスはレインボーカラーのアイテムに思いを込め、アクションを続けています。

No filter
2018年、2019年には東京レインボープライドにも出店した

多様なパートナーにとって居場所になる職場へ

スターバックスは、Our Mission and Valuesにある通り「誰もが自分の居場所と感じられるような」職場づくりを行ってきました。「同性パートナーシップ登録制度」や「性別適合手術のための特別休暇制度」も早くから整備。LGBTQ+をサポートする取り組みが評価され、2017年、2018年には「PRIDE指標(※)」において5点満点のゴールド評価を獲得しています。

「『NO FILTER』の思いが社内で共有されているだけでなく、もっと社会にも広げていけたら」と語るのは、Social Impactチームの林 絢子(はやし あやこ)さんです。

「日々多様なお客様がたくさん訪れてくださるスターバックスだから伝えられることがあると感じています」(林さん)

※任意団体work with Pride(ワーク・ウィズ・プライド)が主催する、企業や団体の性的マイノリティに関する取り組みを評価する日本初の指標

心と体が変化し自分を見つめ直す思春期に、多様性に触れる機会を

「もっとLGBTQ+コミュニティの力になりたい」との思いで、2020年からは、NO FILTERをテーマにしたアイテムについて、売上の10%を認定NPO法人ReBit(リビット)に寄付することに。

ReBitは、子どもたちに多様な性を学ぶ機会を提供するため、学校への出張授業を主な活動とするNPOです。ReBitの目指す「LGBTQ+を含めた全ての子どもが、ありのままの自分で大人になれる社会」が、スターバックスのNO FILTERの理念と重なり、協働が始まりました。

林さんは、「思春期は、子どもから大人への過渡期であり、心と体が変化する中で自分自身に向き合う時期。まだ偏見や差別の『フィルター』が出来上がってしまっていないこの時期に、多様性に触れることが重要だと考えています。知ることのサポートは、私たちの活動の軸になっています」と話します。 2020年12月には、スターバックスとReBitが共同で行う「レインボー学校プロジェクト」がスタート。スターバックスのパートナーが一緒に学校に訪問し、体験談等を共有します。当事者との会話を通じて生徒たちに気づきを与えたい、居場所を作りたい、という両者の思いから実現した取り組みです。

訪問するパートナーは、LGBTQ+当事者に限らず、アライも、社員もアルバイトもいました。

「パートナーたちが、いつものエプロン姿で教室にお邪魔しました。学生のみなさんにとっても、スターバックスは行ったことのあるかもしれないカフェです。そんな場所で働く人たちがLGBTQ+の当事者や理解者で、自分らしく働いていることを知り、身近なことと感じてもらえたようです」(林さん) ReBit代表の藥師さんは「子どもたちに、ロールモデルとなるパートナーのみなさんの姿と、真摯に課題に取り組む企業の姿勢を同時に届けることができました。新しいすばらしいモデルをつくることができました」とプロジェクトへの手応えを話してくださいました。

認定NPO法人ReBit代表理事の藥師 実芳(やくし みか)さん

スターバックスの「ポジティブで幸せな文化」の発信が未来への希望に

スターバックス勤続10年目、現在ストアマネージャー(店長)を務める森崎さんも、「レインボー学校プロジェクト」で学校を訪問したひとりです。 「現代は、簡単に情報が入手できる反面、ネガティブな情報もあふれています。多感な時期に、どんな情報に触れて、何と出会うかは非常に重要なこと。LGBTQ+であってもそうでなくても、ポジティブな情報を自身で選択して、自分らしく生きることを大事にしてほしい」とプロジェクトへの思いを語ります。

「働く上で、LGBTQ+当事者であることを強く意識しているわけではありませんが、SMとして、店舗で一人ひとりがNO FILTERを自分ごととして捉え行動することは大切にしていきたいですね。そして、スターバックスがポジティブな発信とアクションを続けていくことは、社会的にも重要な意味があると思います」(森崎さん)

私たちは、多様な個性を持つ一人ひとりを尊重し、互いを認め合うスターバックスの文化が、パートナーが安心して働けることにつながると信じています。そして、自分らしく働くパートナーたちが作り出すあたたかい場所が、さまざまなお客様にとっての拠り所になることを願っています。

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薩摩の歴史を今に伝える白亜の洋館・鹿児島仙巌園店(鹿児島県)後編