大和市の一等星になりたい!市の施設とともに文化を発信(神奈川県・大和市)


神奈川県・大和駅のほど近くにある「大和市文化創造拠点シリウス(以下、シリウス)」。図書館や屋内こども広場などを中心とした6階建ての文化複合施設です。吹き抜けのエントランスホールの一角にあるのが、スターバックス コーヒー YAMATO文化森店。ここでは施設と協働で地域の文化をはぐくむ取り組みをしています。

地域が一緒になって考え、つなぐ、“持続可能な未来”

シックな色合いの棚に雑誌や本が並ぶエントランスホールには、YAMATO文化森店から漂うコーヒーの香り。印象的なのは、店内でコーヒーを飲みながら幼児に絵本を読み聞かせる父親の姿です。

シリウスは施設全体を図書館とみなして運営され、自由な発想で今までにないサービスを提供。2016年の開業当初から注目が集まり、海外からの視察も多いそうです。図書館の本をスターバックスで読むことができ、購入したコーヒーも館内へ持ち込むことができます(状況により、感染症対策等のため制約がある場合があります)。「市の施設の中にあるのはスターバックスとしては初なので気が引き締まる思いです」と、ストアマネジャー(店長)の森本さん。

屋内こども広場

こども図書館や屋内こども広場があるためファミリーも多く、月に1度、店でキッズ向けのイベントを開催していましたが、コロナ禍で地域の人たちとコミュニケーションが取れない日が続いていました。そんななか転機となったのが、2021年11月3日に開催された、開館5周年の記念の「やまとみらいまつり」です。

毎年開催される周年祭では店独自でイベントを行っていましたが、この年はシリウスと協働で“持続可能な未来”をテーマにコーヒー豆かすを使ったワークショップ「香り高いポプリとサシェ作り」を開催しました。森本さんは「店舗に着任した3年前のやまとみらいまつりを見て回った際に、シリウスの誕生をいつかみなさんと一緒に祝って感謝の気持ちを伝えたいと思っていました」と言い、合同で開催できたことに喜びを感じています。

参加者が集まる施設内の会議室と店をオンラインでつなぎ、ポプリ&脱臭サシェ作りのほか、豆かすリイクルの取り組みなどを紹介。森本さんは「子どもたちが“サステナビリティ”という言葉を知っていることにすごく驚きました。1日どれくらい豆かすが出るの?など具体的な質問を受けて、身近なこととしてとらえようとしている姿が印象に残っています」と振り返ります。

イベントの様子

それぞれの得意分野を生かして、豊かな日常を描く

このイベント開催のきっかけは、屋内こども広場副館長の森 貴志さんから「“持続可能な未来”をテーマに施設と一緒にイベントをしませんか」と、声をかけられたことです。ミーティングを重ね、シリウスの屋内こども広場と生涯学習センター、テナントであるYAMATO文化森店での初の合同開催となりました。

屋内こども広場の森さん(右)と、生涯学習センターの碓井さん(左)

森さんはスターバックスと協働した理由をこう語ります。

「“コーヒーを通してお客様の幸せを届ける”というスターバックスさんの企業理念を本で読んだことがあり、いつか一緒に何かしたいと思っていました。こども広場なら“子育て支援を通して街をつくる、親子関係をつなげる”。生涯学習センターなら“活動支援を通じて市民をつなぐ”。活動を通して豊かな日常を市民に届けるというところが共通しています」

生涯学習センターの碓井千弘さんも「持続可能な開発目標(以下、SDGs)は施設でずっと取り組んできたテーマです。スターバックスさんと協働することで、日常の簡単なことからSDGsを知るきっかけになればと思いました」と言い、一緒に行うからこその効果に期待してくださっていました。

ワークショップの内容はスターバックスが、募集や会場の手配は生涯学習センターが、子どもたちの制作のサポートを屋内こども広場が担当するなど、それぞれの強みを生かして実施。結果、「みなさんのおかげで滞りなく開催できました」(森本さん)、「スターバックスのパートナー(従業員)さんが手作りで撮影スポットを準備してくださり、フットワークの良さに驚きました」(碓井さん)、「パートナーの方はお話が上手で、質問コーナーに子どもたちが興味を持ってくれました」(森さん)と、チームで動いたことで大和市民へ届ける力がより強くなったことを実感することができました。

屋内こども広場の森さん曰く、シリウスは「大和市の文化を作る施設。来館者がここで得た感動を発信し、また文化ができていく」のだといいます。そんな施設の中に店がある意味は何か、YAMATO文化森店のパートナーたちは日々向き合っています。

「施設名のシリウスは、おおいぬ座の目印の一等星。市民の方々がここを目指して来てくれるような施設にしたいという思いが込められているそうです。それを意識しながら地域の方に何ができるのか、私たちの役割を模索していきたい」と、ストアマネジャーの森本さん。

地域のためにできることを考え、店だけでなく施設全体が市民に愛される場所となるように、今後も活動を続けていく。

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スターバックスの「品質基準」: おいしさを保ち続けるための積み重ね