お客様と開催した、コロナ疲れを癒す“小さな写真展”


新潟県上越市南部の高田地区。町のシンボル・高田城のほど近くにあるスターバックス コーヒー 上越高田城址公園店で春は桜、夏には蓮で彩る小さな写真展を行いました。「コロナ禍で疲れた心を少しでも癒したい」そんな思いで始まった取り組みをご紹介します。

きっかけはソーシャルディスタンス。上手に使って癒しの空間に

高田城址公園は、復元された高田城三重櫓がそびえ、春には4000本が咲き乱れる桜名所です。また、夏は外堀に“東洋一”と伝わるほど見事な蓮が花開きます。その公園のすぐ近く、内堀に隣接した場所に2020年3月、上越高田城址公園店がオープンしました。

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しかしオープンして程なくコロナ禍となり、ソーシャルディスタンスを保つために、座席には等間隔に空席を設けました。そんな店内を見て、「もしよければそのスペースに写真を飾らないか」と声をかけてくださった一人の男性がいました。アマチュア写真家の佐藤真司さんです。

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店の近所に暮らす佐藤さんは、スターバックスの店舗が公園のすぐ近くにできることをとても楽しみにしてくださっていたそうです。しかし友人と訪れた時に空席を寂しく感じ、自身が撮影した高田城址公園の桜の写真を手に「店長に直談判したんです(笑)。感染症対策で座れない席がたくさんあってね。そこに飾ってもらって、写真を見て元気になってもらえたらうれしいと思って」と、佐藤さんは言います。

そんな佐藤さんの話に共感したのが、ストアマネージャー(店長)の中川さん。コロナ禍で営業時間を短縮しなければならなかったり、席の間隔を開けるために養生テープで対応するなど、お客様にくつろぎの空間を提供できているのか?と心を痛めていました。「そんな時に『お客さんの心が少しでも安らげば』と佐藤さんからご提案いただいたんです。やりたい!と思って上司に掛け合いました」コロナ禍でなかなか外出できない地元の人たちを写真を通して元気づけたいという思いと、スターバックスの地域への思いが結びついたのです。

桜と高田城三重櫓、ライトアップ、桜が舞う中で遊ぶ子どもたち…高田城址公園の桜の様々な風景を切り取った写真を、飾れるだけ店内に飾り、小さな写真展はスタートしました。その後、夏は高田城址公園の蓮、秋には稲刈りなど上越の風景写真を飾りました。

佐藤さんの作品 re:golith

公園に近く、周囲に学校も多いことから幅広い年代のお客が訪れる上越高田城址公園店。写真展は好評で、お客様からは「癒された」「雨の日でも桜が見られてうれしい」「蓮を見に、朝も来てみたい」といった声が寄せられ、佐藤さんもパートナー(従業員)たちもとても嬉しかったと言います。そして翌2021年にも春と夏の2回、写真展を開催しました。

こうして続けている写真展には、お客様の心を癒す以外に、もう一つ思いがあります。

写真を通して知る「私たちが暮らす街は美しい」ということ

写真展示の様子

「佐藤さんの写真を見て、心が動きました」という中川さん。特に印象に残っているのは、稲刈りの写真です。「当たり前に見ていた稲刈りの様子が、こんなにきれいな情景なんだと感動して。私たちはとても美しい土地に暮らしていることを知りました」そして“もっと地元のことを知ってもらいたい”という願いを込め、高田城址公園で行われる春の「観桜会」、夏の「観蓮会」に合わせて桜と蓮の写真をそれぞれ1か月展示。コミュニティボードで解説を添えるなど工夫を凝らしました。

展示会の準備を担当したアシスタント ストアマネージャー(副店長)の水野さんは、佐藤さんの地元愛に驚いたと言います。「高田城址公園の蓮は108種類もあるそうなんですが、私は生まれも育ちも上越なのに知りませんでした。そうしたお話をお客様にできるようにと、佐藤さんが資料まで持ってきてくださったんです。地元を誇りに思っていらっしゃるんだなと感じました」

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実は佐藤さんは高田城でボランティアガイドを15年務め、現在は後進を育成中。「この写真展が町の魅力を知るきっかけになってくれたらうれしいです。地元民の誇りをなくさないようにお城を大事に守っていきたい」そして、嬉しそうにこんなことを教えてくれました。「お店がある場所はね、古地図で見るともともとは高田城の敷地なんですよ。城の敷地でコーヒーを飲みながら城の桜や蓮の写真を見るって面白いですよね」

今後は写真展以外にも、お客様や地域の中のさまざまなコミュニティと想いを共有し、つながりを深めていきたいと中川さんは語ります。「ゆくゆくは、モノづくり体験を通じて地元の魅力を知っていただけるような企画をし、体験に訪れる人と人とをつなげたいと思っています。一人暮らしでも、家族がいても、いろいろな形の孤独があると思います。お店を、人と人をつなぐ場所にしたいです」

パートナーが写真を通して見つけたのは、地元への誇り。そして、地域の人々とのつながり・笑顔かもしれません。

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捨てずに直して使い続けるライフスタイルを楽しむ