コロナ禍に伝えたい地元三島野菜 地産地消&産地応援(静岡県・三島市)


富士山の伏流水が湧き出て、ミネラル豊富でふくよかな大地が広がる静岡県三島市。農業が盛んなこの地で、三島玉川店のパートナー(従業員)たちは、地元のブランド野菜「箱根西麓三島野菜(以下、三島野菜)」の魅力を伝える活動を行っています。それは、生活が様変わりし“食”への考え方にも変化が生まれたコロナ禍において地産地消の考えが高まるなか、「地理的特性や気候においしさの秘訣がある地元ならではの三島野菜をもっと知ってもらい、地元の人たちと生産者をつなぐ機会を作っていきたい」という思いからです。その活動をお伝えします。

体験したことを自分たちの言葉で伝える

2021年4月に始まったこの活動では、パートナーから希望者を募って生産者を訪ねています。作業を見学したり手伝ったりし、作業後はスターバックスのコーヒーでブレイクタイムを取り、生産者の方々と交流を深めます。三島人参、ヤマツ葉生姜、ロメインレタス…これまで10回ほど開催しました。

「ロメインレタスは半分に切ってオーブンで焼くと、すごくおいしいんです! 肉厚だからシャキシャキした食感がちゃんと残っているんですよ」と笑顔で語るのは、農家を訪ねるようになって三島野菜の魅力にすっかりはまってしまったというパートナーの大庭さん。三島市が地元の大庭さんも三島野菜のことは知らなかったそうで、「こんなにおいしいものが地元にあることを知らなかったらもったいない!」と言葉に熱がこもります。 「天候だったりお休みがなかったりと、いろいろ大変だとは思うんですが、みなさんそういうことを感じさせないんです。自分の作る野菜に情熱を注いでいることが伝わってきて、まぶしいなって(笑)」と、畑での農家の方々の楽しそうな様子がとても印象に残っているそうです。

苗の植え付け体験

そうして持ち帰った感動を、三島野菜を紹介したボードを掲出したり、農家直伝レシピを紹介したりと、手作りで伝えています。自分自身で感じたことだからこそ言葉に説得力が生まれ、来店するお客様からは「こんなに深くは知らなかった」「産地を意識して買ってみようと思った」と好評です。

毎回、訪ねた畑の様子や魅力を伝えている

こうした体験を通じ、自分自身の意識も変化したとストアマネージャー(店長)の田中さんは言います。「これまでコーヒー以外で自分が口にしているものについて生産者に思いをはせることがなかったことに気づいて、今は産地や生産者の表示を気にするようになりました。誰かが作ってくださっているものなので、知ろうとすることって自分の生活もより豊かになりますね」

三島馬鈴薯の収穫作業も体験

良いものを伝えたい、喜んでもらいたいという思いに共感して

「箱根西麓のうみんず」のメンバー。右から3番目が代表の前島さん

パートナーたちが訪ねているのは、JAふじ伊豆の紹介で出会った、若手生産者6人から成るチーム「箱根西麓のうみんず(以下、のうみんず)」の畑です。その理由を田中さんは「“地元の人たちに地元のいいものを伝えたい”という思いは親和性があり、目指すゴールが近いと思ったから」と話します。

のうみんずは新しい名産品の研究・育成、三島野菜のPR活動などを行うほか、食育にも熱心で、年に2回、「のうみんずの日」として市内すべての小学校に野菜の無償提供も行っています。こうした活動は「農家の高齢化が進むなか、この土地の農業を絶やさないためにも産地の生産量を支えられるようにしていきたい。そして子どもたちが興味を持って1人でも未来に就農してくれたら」という願いからなのだと、のうみんず代表の前島弘和さんは語ります。

だからこそスターバックスとの取り組みにも、幅広いお客様に向けての発信力に期待を寄せてくださいます。「みなさん畑では本当に熱心で、細かいところまで質問してくれて。僕らの思いを非常にわかりやすく文章にして伝えてくれている。生産者の思いを消費者に伝える機会は少ないので、スターバックスのみなさんにご自身の言葉で伝えてもらえるというのはありがたいです」(前島さん)。

三島玉川店

こうして紹介を続けてきた三島野菜ですが、2022年は新たな目標があると田中さんは語ります。「昨年は私たちの体験をお客様に伝える1年でした。次の1年は生産者が消費者へ直接伝えらえる場所を作っていけたらと思っています。そして、三島のほかの魅力も私たちが発見し、地元の方々に伝えていければと思います」

地元の魅力を伝える取り組みは生産者の思いを乗せ、次のステップへと続きます。

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「自分らしく生きる」を応援する。スターバックスのLGBTQ+コミュニティ支援とアライとしての取り組み