サイレン ブレンド®の紹介 -コーヒーと女性たち-
<こちらの文書は、2019年9月20日に公開された英語原文記事を翻訳し、編集しました。>
スターバックスの新しいコアコーヒー、サイレン ブレンド® は、コーヒー産業の先駆的な女性たちからインスパイアされたコーヒーです。
スターバックスのコーヒー1杯1杯に、ストーリーがあります。
そのストーリーは農園で、熟したコーヒーチェリーを丁寧に摘み取る生産者の手から始まります。収穫は多くの人の手を経て、バスケットやバケツでミルに運ばれ、乾燥用ベッドやパティオに運ばれます。そして生豆は麻袋に入れられ、焙煎工場へ向かう貨物船に積み込まれるのです。シアトルのスターバックス本社では、世界中で毎日楽しまれる新しいブレンドを作るために、専門のチームが次から次へとカップをテイスティングしています。
スターバックスで販売された最新のコアコーヒーは、コーヒージャーニーのそれぞれのステップに貢献した女性たちを祝福しています。2019年9月24日より、Siren’s Blend™(サイレン ブレンド®)が、アメリカのスターバックス店舗でコアコーヒーとして、販売されました。その登場を祝し、アメリカのスターバックスでは一部店舗にて、発売開始日からアメリカの国際コーヒーの日(9月29日)までの間、購入されたサイレン ブレンド®の全てのカップごとに、コーヒーコミュニティの女性を擁護する団体に、15セントを寄付しました。
農家から、ロースター、そしてカップまで、3つの大陸で、コーヒー豆と、それに触れる女性たちの生活をたどってみましょう。
ルワンダ:農園
ルワンダのギテシ農園は、女性によって女性のために運営されている農園です。1994年のジェノサイド(虐殺)後、女性たちは自分たちのコミュニティを再構築する為に集まりました。コーヒー栽培はかつて対立していた彼女たちが、目標を共有しながら取り組むことができる事業だったのです。彼女たちは、激しい部族間の紛争の中で対立していましたが、自分たちのコミュニティを繁栄に導くため協力し、働きました。
「ジェノサイドの後、私たちはともにコーヒーの栽培をすることにしました。」ムカンドリ・イマキュリーは言いました。「互いを差別することなく、手を携えたのです。そして今、コーヒー栽培は私たちにとって最も大切なものになりました。」
ギテシ農園は、スターバックスのC.A.F.E. プラクティスによってサステナブルな栽培方法が認証されている何千の農園の中の1つです。「C.A.F.E. プラクティスは、私に農園運営の技術的なアドバイスをくれました。コーヒー栽培の始まりから終わりまでの全ての要素を教えてくれたのです。」
スターバックスとコンサベーション・インターナショナルは、20年以上にわたり、ルワンダをはじめとする国々で、自然保護やサステナブルなコーヒー栽培を実現するための女性のエンパワーメントに力を注いできました。「コーヒー生産地の未来を考えるときに、女性たちの存在を切り離すことはできません。家族や暮らし、そしてコーヒーコミュニティの未来を考えているのはその女性たちなのですから。」 コンサベーション・インターナショナル、サステナブル マーケット&ストラテジー、バイスプレジデントのバンビ・セムロックはこう語ります。
上海:完璧なローストの達成
コーヒーの焙煎は、温度と時間の繊細なアートであり、芸術の域に達しています。スターバックスの店舗で販売されるコーヒーは、生豆の状態で黄麻布の袋に入れられ、世界中の焙煎工場や、スターバックス リザーブ® ロースタリーに出荷されます。アニタ・チャンはスターバックス 上海 ロースタリーのロースターで、スターバックスの選りすぐりのチームの一員として知識、専門性、芸術性を使い、すべてのコーヒー豆から最高の物を引き出す事を仕事としています。
「私はまず、一人の女性です。そして、コーヒーロースターです。」とチャンは言います。「おいしくて、品質が高いコーヒーを味わうとき、それをローストしたのが男性か女性かは、誰も考えません。そこにあるのは高品質のコーヒー、ただそれだけです。」
シアトル:新しいブレンドの誕生
シェフが注意深く食材を合わせるように、スターバックスのエキスパートたちは異なる生産地からのコーヒーをブレンドし、それぞれのコーヒーの風味を際立たせる新しいフレーバーを作ります。コーヒー農園では昔から女性たちが活躍していましたが、コーヒーの取引所やカッピングルームで、女性がリーダーシップを発揮するようになるには、長い時間がかかりました。
「以前は農園や加工場、苗木の栽培に携わる女性の多さに驚きましたが、サプライチェーンの他の分野ではごくわずかでした。控えめに表現しても”男性中心“でした。」 スターバックスの生豆の調達や焙煎、ブレンドを1993年から10年以上にわたってリードしてきた、コーヒー業界の30年のベテランであるメアリー・ウィリアムズはこう語りました。
スターバックスのグローバル コーヒー ストラテジー&デベロップメント シニア マネージャーのマリー・マヨルキンは1990年代のサイレンノートと呼ばれる、ウィリアムズのブレンドにインスピレーションを受けました。ウィリアムズは、スターバックス サプライチェーンの全てに、経済の透明性とC.A.F.Eプラクティスの道を確立しました。それから20年以上たった2019年、マヨルキンはコーヒーへの女性の貢献を称えるためのブレンドを再度考案しました。
マヨルキンは言いました。「私たちは最初、1998年のブレンドを正確に再現しようと試みましたが、私たちのコーヒーを飲む文化が進化するように、生産地のフレーバーも時間とともに進化しました。私たちはもう一度原点に立ち返り、昔から愛されているコーヒーを現代風にアレンジすることに注力する事にしました。その結果、C.A.F.E.プラクティスを通して数十年かけて農家と協力してきたサプライチェーンである東アフリカとラテンアメリカの信じられないほど素晴らしいブレンドとなったのです。」
ラテンアメリカ産コーヒーによるチョコレートを思わせる香りと、アフリカ産のコーヒーがもたらすシトラスの香りがミディアム ローストによって見事に調和しています。サイレン ブレンド®は鮮やかなフレーバーといきいきとした酸味だけでなく、親しみやすいボディとまろやかさがあり、あらゆるタイプのお客様に試していただきたい魅力的なコーヒーです。
マヨルキンいわく、「このコーヒーの面白さは、その多様性にあります。誰もがこのコーヒーの味わい中に自分の好きなものを見つけることができるのです。」「私たちはアイスコーヒーとホットコーヒーで提供することを念頭に開発していましたが、私たちが最高の表現を見つけることができたのは、エスプレッソとコールド ブリューとして味わいのテストを行っていた時でした。エスプレッソにした際の風味の複雑さとコールド ブリューにした際のはじけるような、フローラルな香りに驚かされました。」
この新しいブレンドを発売に向けて、サイレン ブレンド®のパッケージデザインについて、シニア デザイナーのティファニー・フューとシニア コンテンツ ライターのマギー・ヘスが、マヨルキンとともにストーリーとデザインのコンセプトを構想しました。3人の女性は1年以上にわたって、数え切れないほどディスカッションをしながら作業を行いました。
「この作品は女性にまつわる物語なので、サイレンをより人間らしく親しみやすいものにしたかったのです」 とフューは言います。「髪のウェーブや星の冠はそのままですが、文字通りの意味ではなく、もっと敬意を表したかったのです。サイレンの背景にあるスタンプは、アフリカやラテンアメリカで見られるモチーフや旗を模倣してデザインしました。」
新しいコアコーヒーの名称のアイデアだしの過程で、彼らはさまざまなエキスパートから考えやフィードバックを収集しましたが、そのメンバーの中にはグローバル コーヒー アンド ティー フォー スターバックス、シニア バイス プレジデントのミシェル・バーンズがいました。彼女の前任者のウィリアムズのように、ミシェルは栽培や調達、購入や品質、教育を含んだコーヒーに関する全てをリードする責任者です。
ヘスは、「私たちは、サイレン ブレンド®という名称をとても気に入っています。サイレンとは、神話に登場する非常にパワフルで、"女性的“な生き物だからです。ブランドの中心であるロゴにちなんで名付けられたこのブレンドは、女性を称えるブレンドであるということを強く主張するものです。」
ウィリアムズは自分自身の歩みを振り返りながら、サイレン ブレンド®の開発を、誇れるマイルストーンとして捉えています。
「このような変化を目の当たりにし、コーヒーの世界で活躍する女性の数が増え続けるのを見るのは、私にとってもスリルのあることです」と彼女は言います。「私たちの未来がどうなっていくのか、楽しみです。」
カエデ・バラズスとハイディ・ペイパーによるレポート