コーヒーストーリー vol.18 「未来につながる1杯を楽しもう」
みなさん、初めまして!!
東東京・北海道エリア エリアコーヒーマスターを務めている、林みなみです。
3月になり、ようやく暖かい春がやってきましたね。
この時期の私のコーヒーの楽しみ方は、朝早めの時間に少し肌寒さを感じながら外でホットコーヒーを飲むこと。季節の変わり目特有の外気の匂いを感じながら、湯気とともに立ち上るコーヒーの香りを楽しむと明るい気持ちで一日をスタートできます。皆さんは、いつどこでどのように飲むコーヒーがお好きですか?
コーヒー栽培に欠かせない条件とは
本日はまずコーヒーがどんな環境で栽培されているか、からお話します。
コーヒーは「コーヒーベルト」と呼ばれる、赤道沿いの熱帯・亜熱帯地域で栽培されています。この地域には、コーヒー栽培に欠かせない条件が揃っています。
①はっきりと分かれた雨季と乾季
コーヒーの木は、雨季にたくさん雨が降った後にやっと白い花を咲かせます。その後コーヒーチェリーと呼ばれる緑色の実がつき、乾季に実が真っ赤に熟すと収穫です。実が育つにはこの雨季と乾季があることがとても重要です。
②栄養たっぷりで水はけの良い土壌
土壌は、火山性のミネラル分と栄養が豊富に含まれた土が良く育ちます。そして、雨季にたっぷり蓄えた水分をバランスよく保つことも大切です。
③日あたり(日射量)
コーヒーは直射日光に当たりすぎてしまうと枯れてしまいます。そのため、直射日光を遮る「シェードツリー」というコーヒーの木よりも背の高い木を横に植えて日陰を作り、日射量を管理しています。
④20度前後の気温で昼夜の寒暖差
気温は、昼間は暖かく夜は気温が下がり涼しい、寒暖差が大きい環境を好みます。寒暖差が大きいことでコーヒーチェリーはゆっくりと成長し、実がしまったおいしいコーヒーになります。
この栽培環境は、日本でいう真夏の避暑地にも似ています。
このような条件下で育ち赤く熟したコーヒーチェリーは、収穫された後、ぶどうのような果肉と中の種を分ける加工されます。この種を焙煎したものが私たちの飲んでいるコーヒーです。
さて、ここでクイズです!
「地球環境を守るためにコーヒー生産地で行っていることは?」
コーヒー栽培を持続可能にするには、豊かな地球環境を守っていくことが必要不可欠です。そのために行っていることはどんなことでしょうか?
1.日陰栽培
2. 肥料の量の適正化
3.コーヒーチェリーのたい肥化
なんと正解は・・・①~③全てです!皆さん、予想は当たりましたか?
生産地の環境を守るためのスターバックスの取り組み
①日差しを遮るための「シェードツリー」を植えることは森林保全にも繋がり、結果としてCO2の排出削減にもなります。また、樹木を植えることで熱帯地域の生態系を守りながらコーヒー栽培を行うことができます。
②コーヒーの木を育てるための肥料ですが、大量に与えすぎると土壌の中の水とともに流れ出てしまい、水質汚染に繋がります。また、必要以上に散布しないことで、エネルギーの削減にもつながります。
③「コーヒーチェリーのたい肥化」とは、収穫後、果肉と種を分けた際に出る果肉は廃棄物となってしまいますが、そのチェリーを堆肥として再利用することで、廃棄物削減につなげています。
例えば、トールサイズのラテ1杯にはコーヒーチェリーを25粒使っています。このラテを毎日飲んだ場合、1年で約9千粒のチェリーを使うことになります。そのチェリーを廃棄するとなると・・・想像できない量の廃棄物になってしまいますね。
スターバックスでは、「C.A.F.E. プラクティス」というガイドラインのもと、このように環境を守りながら栽培されたコーヒーを扱っています。
地球環境を保護することは、未来のコーヒー栽培環境を守ることにつながり、私たちがこれからも自分の好きなコーヒーを楽しみ続けられることにつながります。
コーヒー生産地で環境に配慮しながら育てられたコーヒーを飲むことで、自分も環境保護の取り組みにちょっと関われている、皆さんにそんな風に感じていただけたら、私も1人のコーヒーマスターとしてとても嬉しく思います。
コーヒー生産地で環境に配慮しながら育てられたコーヒーを飲むことで、自分も環境保護の取り組みにちょっと関われている、皆さんにそんな風に感じていただけたら、私も1人のコーヒーマスターとしてとても嬉しく思います。
1日1杯のコーヒー、自分が選ぶその1杯の積み重ねが素敵な未来につながりますように。