あなたの言葉が正解になる。コーヒースペシャリストに聞く、お気に入りの一杯の見つけ方
スターバックスの店舗を訪れると、目に飛び込んでくる多種多様なコーヒー豆。「今日はどのコーヒーにしようかな」と心躍る一方、種類が多いため、どれを選べばいいか迷ってしまうことはありませんか?
今回は、自分だけのお気に入りの一杯を見つけるヒントを探るため、スターバックスの社内に4名しかいないコーヒースペシャリストのふたり、コーヒー部の若林と渡邊に話を聞きました。
「ロースト」と「生産地」から見つける、自分好みのコーヒー
スターバックスでは、世界中のコーヒー生産地から厳選された多彩なコーヒーを提供しています。その中で、自分好みの味わいを見つける上でまず知っておきたいのが、「ロースト」と「生産地」です。
まずは「ロースト」。スターバックスでは、コーヒー豆のパッケージの色と連動した3つのローストカテゴリーを用意しています。それぞれの特徴について、若林は次のように解説します。
「黄色いパッケージの『ブロンド ロースト』は浅めの焙煎で、軽やかなコクとおだやかな風味が特徴です。午前中にちょっと一息つきたい時や、少しずつ暖かくなっていくような季節にぴったりです。
茶系のパッケージの『ミディアム ロースト』は酸味とコクのバランスが良く、朝の目覚めからリラックスタイムまで、シーンを選ばず楽しめます。
そして一番深煎りの『ダーク ロースト』は、しっかりとした力強い味わい。ミルクとの相性も抜群なので、寒い冬にほっと温まりたいときや、チョコレートを使ったスイーツと一緒に味わうのがおすすめです」

世界のコーヒーの多くは、北回帰線と南回帰線に挟まれた「コーヒーベルト」と呼ばれる地域で栽培されています。スターバックスでは、その主な生産地を大きく3つの地域に分けてとらえており、それぞれに際立った個性があると渡邊は話します。

「ラテンアメリカは、ブラジル、コロンビア、グアテマラ、メキシコなどが代表的な生産地です。ナッツやココアのような風味があり、すっきりとした酸味とほどよいコクのバランスの良さが特徴です。お客様にとっては、最初にスッと入っていきやすいコーヒーだと思います。
アフリカは、コーヒーの発祥の地とも言われるエチオピアをはじめ、ケニアやルワンダなどが代表的な生産地で、個性的な味わいが特徴です。フローラルな香りや、シトラス、ベリー、スパイスといった多彩で華やかな風味を感じます。
そして、アジア/太平洋は、スマトラなどのインドネシアやパプアニューギニアなどが代表的な生産地で、重厚なコクやなめらかさ、そして大地を思わせるハーバルな風味が魅力です」
正解はなくていい。コーヒーを「自分の言葉」で表現する文化
「ロースト」や「生産地」は、コーヒーの楽しみ方を広げてくれる手がかりです。その一方で、コーヒースペシャリストのふたりがより大切にしているのは、「もっと気楽に、自分の感覚でコーヒーを選ぶこと」。渡邊はその理由を次のように話します。
「コーヒーの味わい方に正解はありません。スターバックスには、テイスティングした際に『酸味がある』『コクが深い』といった味わいの要素だけでなく、そのコーヒーから連想される情景や人物、色に例えて、自分の言葉で自由に表現する文化があります」

実際、コーヒースペシャリストのふたりも、普段からユニークな表現でコーヒーを楽しんでいるといいます。若林は笑みを浮かべながら、自身のコーヒーの楽しみ方を明かします。
「例えば、あるコーヒーを飲んだとき、『これは晴れた休日の朝、風通しのいいテラスで読書をしながら飲みたい味だね』と表現することがあります。また、『この豆は、優しくていつも包み込んでくれるような、あの俳優さんみたいな雰囲気だね』と、皆で話すこともあるんですよ。ちなみに、音大卒のパートナー(従業員)は、『これはレのシャープだね』なんて表現をすることもあります」


難しく考えずに、自分がそのコーヒーを飲んでどう感じたか、どんな気持ちになったのかを大切にする。スターバックスではパートナーどうしが、そんな自由な表現を交わしながら、それぞれの感じ方の違いも含めてコーヒーを楽しんでいます。
オーダー時に迷わない「ブリュード コーヒー」の選び方
スターバックスの店舗で味わえる「ブリュード コーヒー」の銘柄は、実は季節の移ろいやプロモーション、その時期のおすすめフードとのペアリングなどを考慮したうえで「今、楽しんでいただきたい味わい」をセレクトし、全国の店舗で提供しています。
またスターバックスでは、毎月20日を「Ethically Connecting Day ~エシカルなコーヒーの日~」とし、コーヒーを楽しみながら、コーヒーに関わる人々や生産地とのつながりに思いを馳せるさまざまな取り組みをおこなっています。
とはいえ、いざオーダーするとなると「今の気分に合うのはどのコーヒーだろう?」と迷ってしまうこともあるはず。「そんなときは、ぜひバリスタに気軽に話しかけてください」と、若林は話します。

「『酸味が少なくて飲みやすいものはありますか』『今日はミルクをたっぷり入れて飲みたい気分です』『このフードに合うコーヒーを教えてください』など、簡単なリクエストでも大歓迎です。バリスタとのちょっとした会話のなかに、新しいコーヒーとの出合いが待っています」
さらに、2028年の全店導入完了に向けて順次導入が進んでいるコーヒー抽出マシン「クローバー バーティカ」の導入店舗では、ブロンド、ミディアム、ダーク、季節のおすすめ、そしてディカフェの5種類から、好みの「ブリュード コーヒー」を選ぶことができます。その日の気分やシーンに合わせて、より自分好みの一杯を楽しめるようになります。
※店舗リストへの反映はシステム上タイムラグがございますのでご了承ください。
「コーヒーマップ」でコーヒー体験をもっと豊かに
自分の好みをさらに深く知りたい方におすすめなのが「コーヒーマップ」です。これは、スターバックスのコーヒー豆を「コク(軽やか〜しっかり)」と「風味(すっきり〜深みのある)」の味わいのマトリックスに配置したものです。その活用方法について、若林は次のように話します。

「例えば、『パイクプレイス® ロースト』が好きでいつも飲んでいるけれど、今日はもう少しコクのあるものを飲んでみたい、と思ったときは、コーヒーマップでパイクプレイスの近くにある豆や、少しコクの強いエリアにある豆を探してみることをおすすめします。自分の好みの『現在地』を知ることで、そこから隣り合うコーヒーへ冒険に出る楽しさが生まれると思います」
一方、コーヒーの風味を言語化する手がかりとして、円状のチャート「フレーバーホイール」を活用する方法もあると渡邊は話します。
「スターバックスのバリスタたちも、コーヒーをテイスティングする際はフレーバーホイールを使っています。『フルーティーだな』と感じた際、ホイールの内側から外側に向かって『これはシトラス系のフルーティーさかな? それともベリー系かな?』とたどっていくことで、味わいの輪郭が少しずつはっきりしてきます。
もちろん、こうした表現に正解はありません。フレーバーホイールは、ご自身が感じた風味を見つけたり、コーヒーの味を言葉にしたりする際の、ひとつの手がかりになると思います」

収穫環境によって毎年、味わいが変化する農作物であるコーヒー。スターバックスでは、マスターロースターたちが培ってきた経験と専門知識を生かして、それぞれのコーヒーが持つ個性を引き出しています。さらに科学も活用し、味わいの一貫性を確保しています。
次回スターバックスを訪れる際は、その日の気分や直感を手がかりに、お気に入りの一杯を探してみてください。パートナーとの会話から、思いがけないコーヒーとの出合いが生まれるかもしれません。
そして、2026年9月9日には、スターバックスの創業年を冠した新たなダーク ロースト「スターバックス 1971 ダーク ロースト®」が日本でも発売されます。近日公開の記事では、この「1971」に込められた想いや味わい、その楽しみ方を、コーヒースペシャリストのふたりとともに掘り下げます。