My Holiday Story 〜入院中の子どもたちに絵本を届ける「プレイサンタ」〜


スターバックスは全国に1,600店舗以上ありますが、病院の中にも出店していることはご存知でしょうか? 今回は、ホリデーシーズンに病院内の店舗で行われている「プレイサンタ」の取り組みをご紹介。パートナー(従業員)が病気と闘う子どもたちやそのご家族と向き合い、つながりを育んでいく素敵なストーリーがありました。

入院中の子どもたちに絵本を届ける「プレイサンタ」

スターバックスには、地域に活力を与えるために行う「コミュニティ コネクション」という活動があります。パートナー自らが発案し、各店舗で独自に取り組むこの活動は、年間約8,000件以上開催されてきました(※)。それは、病院内にある店舗も例外ではありません。

※新型コロナウイルスの影響を受け、2020年5月より開催を制限しております。

中でも注目したいのが、クリスマスに病気と闘う病室の子どもたちへ絵本を届ける「プレイサンタ」。地域のパートナーたちから集められた絵本を病院店のパートナーが、一人ひとりの子どもに宛てたメッセージとともに贈る活動です。パートナーにとっても、そして子どもたちにとっても、毎年楽しみなイベントとなっています。

名古屋市立大学病院店のパートナーで長年この活動に携わってきた瓜生田さんは、プレイサンタを通し「人と人のつながり」を意識するあたたかい体験をいくつもしてきたと言います。

子どもたちの笑顔が1番のギフト


瓜生田さん(写真左から2番目)はじめ名古屋市立大学病院店のパートナー

「名古屋市立大学病院店でプレイサンタが始まったのは、2009年ごろ。当時のストアマネージャー(店長)が、岡山大学病院店で実施していたプレイサンタの取り組みに感銘を受け、病院側へ掛け合ったのが最初のきっかけです」。瓜生田さんは当時を振り返りながら、優しい表情で語ります。

活動にはスターバックスのパートナーはもちろん、小児科の先生や看護師、保育士の方々も参加。サンタクロースやトナカイに扮して、一冊ずつ心を込めてラッピングをした本を手渡していきます。届ける子どもは、NICU(新生児特定集中治療室)にいる赤ちゃんも含め約200名に及びます。瓜生田さんは、受け取ってくれた子どもたちが見せる「キラキラした笑顔」が忘れられないと言います。

「子どもたちはすごく喜んで何度もお礼を言ってくれるのですが、私たちの方こそ幸せをいただいて、感謝の気持ちでいっぱいになります。中には、退院後も診察の度に来店してくれる子もいるんです。そういったつながりが日々の活力になっていると同時に、『私たちがここにいる理由』でもあると感じています」(瓜生田さん)

こうした活動は、病気と闘う子どもたちにとってもポジティブな影響を与えているようです。彼女の口調にも、より感情がこもります。

「昔、とある病気のために長期間入院していた小学生の男の子がいたのですが、彼はその後、チャイルドケアの仕事をしたいという夢を抱いてアメリカに留学しました。帰省の度にお店を訪ねてくれていたのですが、彼が最近帰国し、なんと愛知県のスターバックスのパートナーになったというんです。それを聞いたときは、涙が止まりませんでした。これほど嬉しいことはありません」(瓜生田さん)

プレイサンタをきっかけに挑戦した新たな取り組み

本を届けるだけでなく、人と人のつながりを作るプレイサンタの取り組み。その中で瓜生田さんは“人の気持ちに寄り添い、社会とコミュニティに貢献すること”の重要性を感じたと言います。それをきっかけに実施したのが、入院中の子どもたちのご家族に向けたコーヒーを囲む会。子どもたちを対象にしたキッズパーティーを重ねる中で、病院関係者の方々や患者さんと信頼関係ができ、子どもたちのご家族にまで寄り添いたいと考えたのがきっかけです。

「親御さんたちは病室の我が子に付きっきりで、夜通し看病していらっしゃる方も多いです。そこで病院内学級の先生に協力をお願いし、少しでもほっとできる瞬間になればと、親御さんたちがお店に集まれる時間を提案しました。普段は親御さん同士の交流もあまりなかったそうで、貴重な時間になったと言っていただけたのはとても嬉しかったです」

それは、瓜生田さんがスターバックスで働き始めた当初から大切にしていることが実現した瞬間でもありました。

「私がスターバックスで働くきっかけの話です。15年前とある店舗でドリップコーヒーを注文した際、パートナーがそのコーヒーに合うクッキーを教えてくれて、食べ終わったあとに『お味はいかがでしたか』と感想を聞きに来てくださいました。何気ないことですが、私にとってはとても嬉しくて。同じように一杯のコーヒーでお客様を幸せにしたいと思い、スターバックスで働き始めました。当時の気持ちは今も変わりません。コーヒーを囲む会のような提案をするのは初めてのことでしたが、お客様の心が豊かになることに貢献できたことは、私自身の幸せでもあるんです」(瓜生田さん)

お客様の心に寄り添い、誠実に向き合う

日本全国に広がる病院内のスターバックスについて、「患者様やそのご家族、医療の最前線で働くお医者さんや看護師さんなど、さまざまなお客様が来店される…本当に特別な存在だと思います」と語る瓜生田さん。

「これまで、思いやりの心を持ってお客様の声やお気持ちに耳を傾けることを大切にしてきました。入院中のお客様からは『スターバックスのコーヒーとパートナーのおかげで辛い治療も耐えられる』というコメントを頻繁にいただき、とても幸せな気持ちになりました」(瓜生田さん)

2021年11月に異動となり、現在は隣駅の店舗に籍を置く彼女。新天地でもこれまでの経験を生かしながら、いきいきと働いています。

「当店にはまだ来たばかりですが、心掛けているのは、これまで同様お客様のことを大切に想って心に寄り添い、誠実に向き合うこと。お客様の顔ぶれが変わっても、その想いは同じです。一杯のコーヒーでお客様にどんな感動経験をもたらせるのか、これからも自分自身が旅を続けていきます」(瓜生田さん)

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桜島を眺めながらコーヒーを。受け継がれるパートナーたちの想い(鹿児島県)前編