サステナブルな未来へ。リサイクルが共感と循環の輪をつなぐ。


抹茶ティーラテのもうひとつのストーリー

ほろ苦い抹茶にほどよく甘味をプラスして、ミルクを合わせた「抹茶 ティー ラテ」。スターバックスのティードリンクの中でも人気のこのドリンク。使われている抹茶の原料の茶葉を育てる際に、コーヒーの豆かすをリサイクルしたたい肥が役立っています。

三重県四日市市のお茶農家、萩村さんは、スターバックスの抹茶生産を担うひとり。萩村さんが茶葉の栽培に利用しているたい肥は、関西の店舗から出たコーヒー豆かすを回収して作られたものです。

「使い始めて4年目、茶葉につやが出て、生き生きとしてきたことを感じます」と萩村さん。品質の良い茶葉を育てると同時に、資源循環に取り組めていることを、誇らしく感じているとも話します。

そして、抹茶 ティー ラテのおいしさを決めるもうひとつの要素、「ミルク」にも、コーヒー豆かすが活かされています。関東の店舗から出たコーヒー豆かすを乳酸発酵させ、牛の飼料に活用。実証実験の結果、豆かすに含まれる成分は、牛を健康的に育てる上で役立つこともわかっています。こうしてコーヒー豆かす入りの飼料を食べた乳牛のミルクを仕入れることで、循環を実現しています 。

手探りで始まったコーヒー豆かすリサイクル。共感の輪が広がり、実現へ

スターバックスの店舗から出る食品廃棄物のうち、約7割を占めるのがコーヒーを抽出した後に残る豆かすです。世界中のコーヒー生産地で大切に育てられたコーヒーが、抽出したとたん廃棄物になってしまう。何かに活用できないか、と2008年頃より検討を始めました。「最初は本当に手探りで、方向性を決めるまで2年ほどかかりました」と、エシカルソーシング・サステナビリティチームの普川 怜(ふかわ れい)さんは当時を振り返ります。

牛に与えてみよう、と試験場にそのままの豆かすを持ち込み、牛に後ずさりされてしまったことも。そんな中、株式会社メニコンとの出合いでプロジェクトは大きく前進しました。コンタクトレンズなどで有名なメニコンには酵素や菌の研究をするチームがあり、その知識や技術を豆かすに活かせることがわかったのです。

コーヒー豆かすたい肥

「コーヒー豆かすに含まれる抗酸化作用を持つポリフェノールを活かして、牛の健康にプラスになる飼料をつくることができました。たい肥と併せて2つの方針が決まり、そこからおよそ4年にわたる実証試験を繰り返しました」(普川さん)

そして、2014年3月、関係する三省(農林水産省、環境省、厚生労働省)による食品リサイクルループ認定(※)を国内で初めて取得。正式に「コーヒー豆かすリサイクルループ」の取り組みが始まりました。

※「食品リサイクルループ認定(再生利用事業計画)」は、「食品循環資源の再生利用等の促進に関する法律 (食品リサイクル法) 」 に基づき、食品リサイクルを推進する上で、食品関連事業者、再生利用事業者、農林漁業者の3者がリサイクルの環を構築し、再生資源を有効に活用する計画を国に申請し、認定を受ける制度です。

このしくみづくりの中で特に力を注いだのはバトンをつないでくれる生産者の方々を探すことでした。その過程で普川さんたちは、共感が広がっていく様を目の当たりにしました。

「たい肥は、関西でサンドイッチの製造を担当する取引先企業が強く共感してくれたことが大きな力になりました。そこから野菜の卸売会社、農家さんへとつながっていきました。みなさん、循環の取り組みに共感してくださり、一緒に地球環境に貢献できることを喜んでくださっています」(普川さん)

さらに、店舗で使われるトレイの原料にも使われているほか、店内の建築材料としても利用が進んでいます。セメントボードに豆かすを混ぜることで壁材に温かい色味とやわらかな風合いをもたらしてくれます。現在スターバックスの多くの店舗でこの壁材を使用しています。

Sakai_Emiko

全国のパートナー全員で取り組むミルクパックのリサイクル

スターバックス ラテなど多くのドリンクに使用するミルク。空になったミルクパック年間約1,000トン を回収・リサイクルしています。ミルクパックを一つひとつ洗って、乾かして、たたんで。日々の忙しさの中でも、パートナーに、より自分事としてこの作業に取り組んでもらえるよう、全国を回り、環境教育ワークショップを実施しました。

ミルクパックはまず全国の10ヶ所の物流拠点に集められます。そこから、その地域になるべく近い協力会社により、トイレットペーパーや、スターバックスで使用するペーパーナプキン、スターバックス キャンパスリングノートの表紙と裏表紙などに使用されています。

「たとえば関西の店舗のミルクパックは、徳島にある再生パルプ企業を経由してペーパーナプキンに再利用しています。廃棄物を資源に変えるだけでなく、輸送などその過程に必要なエネルギーも考慮して、取り組むことも重要な視点だと思っています」(普川さん)

自然の恵みを、大切に使い、使った以上に貢献できるように

リサイクルの取り組みによって、地域との絆が深まったことを実感しているという普川さん。今後、リサイクルの取り組みは、どのように発展していくのでしょうか。

「もっと、ローカルに、地域の循環を生み出すものになっていったらいいなと思っています。毎日出るコーヒー豆かすで、地域のお客様とのつながりができたら素敵なこと。例えば、二子玉川公園店(東京都世田谷区)や名城公園店(愛知県名古屋市)では、公園内の落ち葉と一緒にたい肥化し、園内の花壇などで活用しています」

二子玉川公園店のたい肥作りの様子

リサイクルを通じて人と人がつながり、手を携えることで、循環しながらサステナブルな未来をつくっていく。私たちは、スターバックスらしいリサイクルのあり方を、これからも探し取り組んでいきます。