スターバックスがむすびえと思い描く、食を通した子どもと地域の未来


2021年8月からスタートしたフードロス削減のためのプログラム。スターバックスはその売上の一部の400万円を、「認定NPO法人全国こども食堂支援センター・むすびえ」(以下、むすびえ)に寄付しました。スターバックスとこども食堂との連携によってこれからどんな変化が生まれるのか、むすびえのおふたりにお話を伺いました。

お客様と一緒に一歩ずつ。フードロス削減プログラム

フードロス削減のため、ドーナツやケーキ、サンドイッチなどを、各店舗のパートナー(従業員)がその日の在庫状況に応じて判断し、閉店に近い時間に20%OFFで提供するこのプログラムは、スターバックスが目指す「リソースポジティブカンパニー」へ向けた取り組みのひとつです。スタートから10カ月、パートナーのおすすめに多くのお客様が賛同してくださり、着実にフードロス削減につなげることができています。

売上の一部を食を通じた子どもたちの未来づくりへ

フードロスを削減し、環境への負担を減らすとともに、私たちが大切にする地域の未来につなげることができないか。さまざまなNPOの方々にお話を伺い、その方法について検討を重ねました。

その中で、地域で食の提供を通じた子どもたちの居場所を生み出すこども食堂に着目したむすびえの支援のあり方、人とのつながりを大切にしているところに共感し、寄付をすることになりました。

手の届く範囲でできる活動だからこそ、全国に広がった

写真提供:認定NPO法人全国こども食堂支援センター・むすびえ

こども食堂の始まりは2012年。大田区の八百屋「だんだん」が「夏休みに体重が減る子がいる」という話を学校の先生から聞いたことがきっかけで、地域の子どもたちに無料で食事の提供を始めました。この活動はメディアなどを通して瞬く間に広がり、賛同した個人や団体などさまざまな人たちが全国各地でこども食堂を開き、今ではその数はおよそ6,000カ所(2021年12月調べ)を超えるまでになりました。

こども食堂の運営では、子育てがひと段落した女性たちが活躍しています。特別な資格は必要なく、「ご飯なら作れる」という手の届く市民活動だったということが、ここまで広まった要因のひとつと言えそうです。

むすびえは、2018年に、そんなこども食堂を運営面で支援するために設立されました。全国に広がったこども食堂の正確な数を把握し必要な支援を確認する調査をするとともに、安全に運営するべく保険に加入するためのクラウドファンディングを実施するなど、基盤づくりの活動を行ってきました。また、地域の人たちへの普及啓発、行政とこども食堂の運営者、そして地元企業とを結びつける活動も行なっています。

こども食堂の支援のために全国を飛び回るむすびえの、三島理恵さん(左)と遠藤典子さん(右)

遠藤さん「こども食堂は無料もしくは低料金で、子どもがひとりで来てもみんなで食事ができる場所。個人が自分の住んでいる地域の仲間に声をかけて立ち上げることがほとんどです。企業やNPOが運営しているところもあります。空き家・空き店舗を借りて開催したり、近隣の農家さんから食材を提供してもらったり、公民館で月に1〜2回開催したり、とその形は地域によってさまざまです。その多くは自発的なもので有志の活動に支えられています。ボランティアというと少し敷居が高い印象がありますが、こども食堂に関わることに対しては、名前のわかりやすさもあり、さまざまな方が協力しやすい魔法のようなところがあるなと思います」

三島さん「こども食堂の活動は政策制度の裏付けがあるわけではないのが特徴であり、強みでもあります。だからこそ6,000カ所あれば6,000通りのこども食堂があります。社会の多様性をしっかりと受け入れられる居場所として、全国に広がりを見せています。また食の提供だけではなく、行政と連携して、児童扶養手当の受給家庭に対して公共の冷蔵庫の設置などの情報を提供するこども食堂もあります。無縁社会ともいわれるコミュニティの弱さに伴うさまざまな社会課題が近年浮き彫りになっていますが、それに対して、何かしようと強く思わなくても気軽にできる活動が、こども食堂だったのではないかと感じています」

写真提供:認定NPO法人全国こども食堂支援センター・むすびえ

スターバックスが参加することへの期待

これからのパートナーシップについて、おふたりの想いを伺いました。

遠藤さん「むすびえは、こども食堂を直接運営するのではなく、運営者の方々や地域のネットワーク団体に伴走しながら、こども食堂が安心・安全で参加しやすい基盤づくりをしています。表からは見えにくい動きですが、こども食堂が地域のインフラに発展するための土台をつくる部分に、スターバックスさんからご支援いただけるのはとてもありがたいことです」

三島さん「子どもと朝食を食べにスターバックスのお店に入った時に『おはようございます』と出迎えてくれて、『いってらっしゃい』と送り出してもらったことがありました。そんなところにも、こども食堂が大事にしたいと思っているつながりやコミュニティを感じて、一緒に取り組みをさせていただきたいと思っていました。こども食堂やそれを支える方々に良い影響をもたらしてくれると期待しています」

みんなが自分らしく過ごせる居場所を全国に

写真提供:認定NPO法人全国こども食堂支援センター・むすびえ

こども食堂の立ち上げや安定的な運営には、地域ネットワーク団体の存在が重要です。しかしこのネットワーク団体がない県があり、そのひとつが新潟です。今回の400万円の寄付によって、新潟県内のこども食堂をつなぐネットワーク組織を立ち上げ、こども食堂同士の学び合いが生まれ、また食材など必要な資材が必要としているところに分配できるようになることを目指しています。

毎日、店舗で最後までフードを大切にお届けすることでフードロス削減に取り組むこと、さらに全国の子どもたちの食と未来づくりの支援につなげていくこと。人々が自分らしく過ごせる居場所の提供を大切にしているスターバックスとして、こども食堂が子どもたちやその周りの大人たちも、地域コミュニティの中で楽しく過ごせる居場所となり絆を深めていって欲しい。

スターバックスのむすびえとの取り組みがここから始まります。

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ママ・パパがほっと一息つける地域の居場所を作りたい(神奈川県・綱島)